”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”スパイ・ゲーム”(01年)

この所すっかりNHKBSのプレミアム映画館に捉われてしまい目が離せない。昨日は”スパイ・ゲーム”の放映だし”情婦”、”死刑台のエレベーター”等々、連続して録画している。この”スパイ・ゲーム”はこれまで何回となく見て、このブログにも投稿しているが何回みても途中で止める訳には行かないのだ、、。

2018年4月には(まだオーストラリア居住)FOXで見ているのだが今回字幕付きで見たのは初めての経験だった。聞き逃した箇所やハッキリしなかった箇所を字幕で読めば理解度はもっと高まるものだが逆にそんな事、言ってないじゃん、などつっ込みたくなる箇所もあるのでこれは微妙だな、、。

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"Spy Game" 2001

 

 

以下が当時の感想、、;

好きなジャンルは?となるとやはりクライム、、そしてこんなスパイものに集約されるかも知れない。それも主人公の”ボクは死にませ~ん”と言うお話じゃなくてかなり本格的な作風が好きだ。アクション満載の007シリーズは別として古くは”イプクレス・ファイル”(後年改題されて”国際諜報局”になった)とか”寒い国から来たスパイ”そして”裏切りのサーカス”等はもう満点を計上する程に好きな映画である。
 
それと同列に扱っているのがこの”スパイ・ゲーム”、もう制作されてから17年が経過している。監督はリドリー・スコット実弟トニー・スコット、そして主演がロバート・レッドフォードブラッド・ピットとなるともう目が離せないそれにオマケでシャーロット・ランプリングもドイツ支局駐在でチョコっとだけ出ている。
 
何と言っても今日で退職と言うレッドフォードのたぬき振りが実に見事である。それと彼を会議室でとことん追い詰めるスティーブン・ディレインがこれ又、小憎らしくて上手いのだ。リアルと言ってもそりゃCIAに知り合いがいる訳じゃないし現実にはどんな事になっているのか知る由もない。でも素人が想像力を逞しくして考えるとこれはかなり真実を突いているような気にさせる。それが又、秀作だと言われる所以かも知れない。そろそろ誰かがリメイクしても良いんじゃないかな?でもそうなると評価が共倒れに??それは困るかな。
 
何時ものように”ちょっとだけよ”と見始めて結局最後までノン・ストップて見てしまった。それがもう何回目だぁ??
 
監督のトニー・スコットはリドリーの弟で”トップ・ガン”の大ヒットで一躍有名人に、、その後、”ビバリーヒルズ・コップII”、”デイズ・オブ・サンダー”、等のヒット作を連発してこの”スパイ・ゲーム”を、、それが12年に68歳で亡くなってしまった。これは兄貴のリドリーには勿論大ショックだったが映画界に於いても世界的な損失だった、、。
 

”007 カジノ・ロワイヤル”(06年)

イアン・フレミング爺が書いたオリジナル原作、007/ジェームズ・ボンドを主人公に据えた長編小説は1953年に初めて出版された。そのタイトルが”Casino Royale/You Askd For It”だった。

1967年に映画化されたモノはジェームズ・ボンド役をデイビット・ニーブンが演じ何とも珍妙なパロディー映画として記憶に残る事になった、、唯一高評価だったのはダスティ・スプリングフィールドが歌った”ルック・オブ・ラブ”、それと全編をハーブ・アルバートが音楽を担当した事くらいか?

そして2006年にそれまでピアース・ブロスナンが演じていた割とシリアスなボンドを更にリブートして高速用ハイオクタン・ガソリンを注入した新・007としてダニエル・クレイグが大抜擢され、演じる事になった。思えば今から14年も経過しているのでダニエルも38歳と大分若い。イアン・フレミングが描くところのボンドは劇中38歳の設定なのでまさにドンピシャリ、2020年になって見直すと実に若いし体力的にも一番乗っている時期だった。

 

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"Casino Royale" 2006

オリジナルに出て来る悪役のル・シッフルはそのままだがこの新作にはスメルシュもスペクターも出て来ない。その辺は近年のリアル・テロ組織を巧く映画に使い彼らから現金を預かりそれを運用し組織のマネー・ロンダリングみたいな事に手を染めているル・シッフルが登場して来る。

それらの演出は実に見事でオープニングのダブル・プレビュー・シークエンスにもモノクロ画像で007が最初の暗殺2件を遂行する場面と携帯電話を持って逃げまくり最後には大使館での容疑者暗殺、爆破に繋がっている。確かに荒唐無稽ではあるがダニエル・ボンド初登場に賭けたプロデューサー二人、マイケル・ウィルソンバーバラ・ブロッコリの大勝利ではなかろうか?

それともう一つ特記すべき演出はジェームズとヴェスパー(エヴァ・グリーン)の絡みで、これは過去のどの作品でも007がこれ程に相手と恋に落ちる場面はなかったような、、過去の作品で一番として評価の高いショーン・コネリー版、”ロシアより愛をこめて”や”ゴールドフィンガー”でも二人が愛を語る場面はなかったのでこの”カジノ・ロワイヤル”は究極の”スパイ・ロマンス映画”と言っても過言ではないのでは?

特にヴェスパーが初めてモンテネグロへ向かう列車内でジェームズに会う場面などは互いの主義主張が素晴らしく(無論これは脚本の良さなんだが)その場面をスマホで録画して言語と字幕の対比までやってしまった。実はこの投稿でそれを証明しようと思ったのだが英語のセリフは簡単にコピペが出来るが字幕の方が大変で、、途中で諦めた。

 

 

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Vesper : What else can you surmise, Mr. Bond?

他にどう推察します。ボンドさん?

James : About you, Miss Lynd? Well, your beauty's a problem. You worry you won't be taken seriously.

キミの事かい、ミス・リンド?う~ん、君の美貌が問題、、自分のマイナスだと思っている。

Vesper : Which one can say of any attractive woman with half a brain.

そうね、脳みそがある女はそう思うわ、。

James : True. But this one overcompensates by wearing slightly masculine clothing. Being more aggressive than her female colleagues. Which gives her a somewhat *prickly* demeanor, and ironically enough, makes it less likely for her to be accepted and promoted by her male superiors, who mistake her insecurities for arrogance. Now, I'd have normally gone with "only child," but, you see, by the way you ignored the quip about your parents... I'm gonna have to go with "orphan."

そう言う女は男っぽい服を選び女性にしては攻撃的物腰もトゲトゲしい、皮肉にも男性上司は彼女の不安を怠慢と勘違いする。そして彼女を正しく評価しない、、。

そう言う女性は一人っ子が多いが、。さっき両親の話になるとしなかった。っとなると君は孤児?

Vesper : All right... by the cut of your suit, you went to Oxford or wherever. Naturally you think human beings dress like that. But you wear it with such disdain, my guess is you didn't come from money, and your school friends never let you forget it. Which means you were at that school by the grace of someone else's charity - hence that chip on your shoulder. And since your first thought about me ran to "orphan," that's what I'd say you are.

Vesper : Oh, you are? I like this poker thing. And that makes perfect sense! Since MI6 looks for maladjusted young men, who give little thought to sacrificing others in order to protect Queen and country. You know... former SAS types with easy smiles and expensive watches.

 

判ったわ、貴男のスーツから推察するとオクスフォードかそれに近い有名校出身、でもイヤイヤ着ている。貧乏だったから何時も仲間外れで学費は誰かのお情け、それが心のしこりになっている。私を孤児と決めつけたけど貴男がそうなんじゃない?図星ね。

私もポーカーが出来るわね。貴男は順応性に欠けているからMI6に採用女王とお国のために人殺しが出来るタイプ、笑顔と高級腕時計を着けた元特殊部隊工作員

 

Vesper : Rolex?

James : Omega.

Vesper : Beautiful. Now, having just met you, I wouldn't go as far as calling you a cold-hearted bastard...

会ったばかりの人を冷血漢とは呼ばないわ。

James : No, of course not.

勿論さ、そんな事は言わない。

Vesper : But it wouldn't be a stretch to imagine. You think of women as disposable pleasures, rather than meaningful pursuits. So as charming as you are, Mr. Bond, I will be keeping my eye on our government's money - and off your perfectly-formed arse.

でも想像は出来るわ。女性にはのめり込まずその場限りの快楽だけの付き合い。貴男は魅力的だけど私はその恰好良いおしりより政府のお金に目を光らせているわ。

James : You noticed?

判った?

っとまあ実に見事な脚本なのです。字幕にするとやはりその微妙なニュアンスまでは読み取れないのが残念だ、、当然字数の制限だってあるんだしセリフを全部字幕に起こしてたらもう読む方は目が回ってしまう、。だから吹替さ、、何てのはナシですよ。

 

兎に角、この列車での二人の出会い、これが中盤、終盤へと”愛の物語”として進んで行くとしたらこりゃもう007のアクション編とは言えないかも?それにしてもこの”カジノ・ロワイヤル”はこれまでのシリーズ24話中、一番の出来である事はそのストーリーの展開、仕掛け、次作へと続くエンディングとドレを取っても素晴らしいジェームズ・ボンド作品になっている。アア~、今日は疲れた。

 

 

 

 

 

”イングリッシュ・ペイシェント”(96年)

これはもう過去に何回も記事にしているだろうと自分でブログ内を検索してみたがチョコチョコとタイトルは出て来るがその鑑賞記は何処にもない。96年に公開されているので間違いなくオーストラリア時代だしちゃんと公開時に映画館へも行っている。

なによりその翌年、アカデミー賞では作品賞を始め9部門を制覇しているので多くの映画人がその秀作ぶりを認めた結果なんじゃなかろうか?原作はマイケル・オンダーチェが書いた”イギリス人の患者”(”The English Patient”)だったが邦題はあっけなくそのまま誰も頭に汗をかくことなくカタカナ化で公開されちまった。

主演はレイフ・ファインズ(そうだ彼の”シンドラーのリスト”が頭の片隅にあって公開当初乗り気じゃなかったんだ)、それとクリスティン・スコット・トーマスウィレム・デフォーに大抜擢されたジュリエット・ビノシュ(彼女が素朴で献身的で魅力的で実に巧くて良かった)、監督はアンソニー・ミンゲラ

 

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" The English Patient"

 

まあぶっちゃけ砂漠を舞台にした壮大な不倫ものなんだが、、”アラビアのロレンス”で描かれたような一面の砂漠、それを1930年代から戦争末期のイタリアに至るまでを丁寧に描いている。背景になった土地感覚が判らないとナンで最後はイタリアン(?)っとなるのだが当初の舞台はリビアの砂漠地帯、主人公のラズロ(R・ファインズ)は測量技師としてサハラ砂漠の地図を作成している。

そんなラズロの周りにはジェフリー(コリン・ファース)、キャサリン(KSトーマス)夫妻も同行している。そのキャサリンとラズロが不倫関係になって行くのがメイン・テーマで時代が前後するが映画の進行はその戦争末期、イタリアから始まるのだ。

第二次大戦末期のイタリアでのこと、カナダ人看護師ハナ(J・ビノッシュ)は空襲で破壊された修道院に住み着き、ある患者の世話をしている。その患者は重い火傷を負い、英語を話すが自分の名前は思い出せない。

シーク人のキップは地雷処理を行う英陸軍工作兵で、ハナと仲睦まじくなる。カナダ軍諜報部隊のデヴィッド・カラヴァッジョ(W・デフォー)は、ドイツ軍の尋問で両親指を切り落とされた過去を持ち、自分を特定する写真を撮影したラズロ・アルマシーを追っていた。4人は修道院で一緒になる。カラヴァッジョは患者に問いかけ、患者は徐々に記憶を取り戻す。っとこれはウィキ

最初映画館で見た時は背景に流れる音楽や壮大な砂漠、それにチョイと気味が悪い”イギリス人の患者”の存在が一体誰なのか不明でまごついた。そして砂漠を測量している彼らが徐々に親密になって行く様子も丁寧に演出されているし不慣れな国へやって来て平常心が保てない彼らの日常にも共感したもんだ、。

結果的には不倫に走ったキャサリンは自業自得なんだろうがこれは砂漠に咲いたロマンス映画として見れば演出、構成、脚本も素晴らしくド真ん中のストライク、、とは言わないが外角低めにビシッと決まった☆☆☆1/2じゃなかろうか?そうそう日本じゃ全部ボカシが入った筈だがCCトーマスはそれそこ体当たり演技で(この映画を前後して3本でキューピー人形状態)一躍有名になってしまった。

1996年の世界はチャールス皇太子、ダイアナ妃の離婚、アトランタではオリンピックが開催されクリントン大統領が再選、なんて出来事があった。別に不倫映画がブームって訳じゃなかったが人間が生きて行けば不倫は何時だって起きる、、それに不倫が無くなったら映画だって作られなくなってしまうし、、アカデミー賞の会員さん達も何となくそんな世間の風潮に押されてしまい高評価に繋がったんじゃなかろうか?

 

 

 

 

 

”俺たちは天使じゃない”(89年)

これは実に久し振りのテレビ放映だ、主演はロバート・デニーロショーン・ペンそれにデミ・ムーアも配役されていた。

オリジナルはフランスのアルベール・ユッソンが52年に書いた舞台劇でその英語タイトルは”My Three Angels”と言う。実は55年にはアメリカで映画化されているがその時は、ハンフリー・ボガードが主演で監督は”カサブランカ”のゴールデンコンビ、マイケル・カーティスだった。原題は”We're No Angeles”で本当はこっちを見たかったが今回放映されたのは89年度版だった。

 

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"We're No Angeles" 1989

このリメイク版の時代設定は1935年、カナダとアメリカの国境に近いアメリカ東部のとある刑務所。窃盗で服役していたネッド(R・デニーロ)とジム(S・ペン)は殺人犯ボビーの死刑執行に立ち会うが、ボビーは一瞬のすきを突いて狡猾にも脱獄、2人も流れから一緒に脱獄し、ニューイングランドの小さな町に逃げ込んでしまう。

しかし、国境を越えるための手続きの際に、自分たちの身分を神父と偽ったため、折から2人の神父が派遣される予定だった教会に送られてしまう。

国境を越える機会をうかがっているうちに、ネッドが聾唖の幼い娘を抱えるモリー(D・ムーア)と恋に落ちるなど様々な騒動が起こり、2人の心境にも変化が起こってゆく。

 

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"We're No Angeles" 1955

 

とそんなお話だが若い二人が神父に成りすまして交わす会話が実に面白い、。今のような〇〇〇でXXXの卑猥語ばかりじゃなくてこりゃアドリブ?と思わせるような実にタイムリーな会話になっている。ロバート・デニーロがプロデューサーとして制作総指揮もやっているのでかなりその場で台本にないセリフがあったんじゃなかろうか?

フランスの戯曲とか舞台劇をアメリカで映画化するのはこれが初めてじゃないし過去にも多くの秀作が映画化されている。大ヒットした典型的な例としては”La Cage aux Folles”ナンてのもあった。邦題は”Mr.レディMr.マダム”だったが今度はロビン・ウィリアムズ主演で映画化されタイトルも”バードケージ”(”The Birdcage”)と改題された。

 

自己破産をする爺が増えている??

ありゃこりゃ聞き捨て、、いや読み捨てる訳にはいかんぞ。要点はどうやら日本ではシニア世代になって自己破産を宣告する人が増加傾向とか、だそうな。
 
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これはその記事からお借りしたチャートだが明らかに50代以降に破産している人が多くなっているのには驚かされる。この世代ならまだ現役選手として普通に働いておれば問題はなさそうなんだが、、。
 
記事によると銀行からの借り入れ増加が引き金になっているようだ。これまでは消費者金融なるものから借り入れ或いは返済に充てていたのが銀行のカードローンが手軽なのでそっちへ移行、借り入れが100万、、200万、、、と序々に増加、最後は首が回らない結果に、、と言うのが要因になっている由、。
 
銀行系のカードローンの場合は町の金融業者と違い”総量規制”がない、、なので消費者金融で断られても銀行ならOKと言うケースもあるそうな、。まあ銀行は何処かで下請けとして金融業が傘下にあるか資本関係で繋がっているので返済回収はそっちに任せる事だって可能、、なので割と簡単に承認する、、それが最終的には借入れた側に跳ね返ってくるのだが、。
 
順当に住宅ローンを返済しやっていたのが体調を崩し働く事も出来なくなりローン返済用にと新たに借りたカードローンが積もり積もって、、と言うケースもあるようだ。これに関しては普通にやっておれば問題はないのに体調不良から勤務不能へと気の毒な生活環境から来る破産宣告、、。
 
それにシニアの場合はかなり昔に借入れたローンなりが要因になっているケースが多いとも書いてある。確かに加齢と共に収入は減り現役時代と同じペースで返済をして行くわけにいかない、、それは判るのだがちょっと待てよ、仮に子供たちが独立して行った場合は今度は教育費やら食費など、逆に支出が減るんじゃないかい?
 
まあその辺りをちゃんと見据えて退職金なりでローンを返済し”無借金”の身体でシニア世代を迎える、、これに尽きる気がするのだが、。
 
この記事の最後にこんな事が書かれていた、、;
 
”銀行のカードローンなどから借り入れ、今はどうにか返済できている現役世代の人たちは、10~20年後に自己破産のリスクがあるかもしれません。自分たちが将来の自己破産予備軍であると知ることが、破産の道を避ける第一歩となります。”
 
おいおい脅かすなよ、、住む国は違えどやっている事は同じじゃん、、まあうちの場合はとっくにシニアもシニア、ジィニアさ。なのでこのローンちゅうヤツだけは早めに退治しないと安定した生活が保証されないぞ。この記事を書かれているのはファイナンシャル・プランナーの資格を持つ方とか、、でもなぁ~、、お金に関しては自分の娘みたいな世代の人にああしなさい、こうしなさいと言われるのはすんなり”はい、そうですか”とは受け入れがたい、、、おおっ、そうやって回避しているとドツボにハマる仕掛けかぁ??