”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”ムーンフォール”(22年)

Amazonが制作してプライムで配信しているデザスタームービー、、まあこれまで映画じゃ色々なモノが落ちて来るが遂に”月”が落ちて来る。”空”が落ちて来る”スカイフォール”が☆☆☆☆だとしたらコイツは月を落とした反則行為で☆一個で充分だろう。

主演はハル・ベリーで制作、監督、脚本はこの手のデザスターブロックバスター映画の”巨匠”、ローランド・エメリッヒだ。しかし乍ら制作費の多くをチャイニーズマネーで調達していると思われる節があちこちに見られ配役にも気を使っていると気が付いてからオレの鑑賞意欲が一気に失せてしまった。

 

 

そして内容たるや(想定が、、)余りにも笑えちゃうもので2時間後には早送りにしてしまうかそれとも止めちゃうかかなり迷ってしまった。

ハル・ベリーは元宇宙飛行士で今はNASAの長官代理、2011年の宇宙ミッションではファウラー(H・ベリー)、ハーパー(パトリック・ウィルソン)、マーカスの3人がスペースシャトルに乗り込み衛星基地の修理を手掛けていたのだが突然原因不明の事故でマーカスが死亡、ファウラーは意識を失いその間にハーパーがシャトルを運行して帰還して来たと言う経緯がある。

そして時代は2021年、月の軌道がズレて来ていると気が付くハウスマンと言う宇宙学研究者がある日、その変異に警鐘を鳴らすのだ、、。っで月の軌道がズレてそのまま放り出して置くと地球に落ちて来る、っと言う訳で再度ファウラーはハーパーやハウスマンと博物館に展示されていた唯一の宇宙船、エンディーバー号に乗り再度お月さまへ向かって原因追及の旅に出るのであります、。

デザスターSFも遂にこんな想定を考え出したかと先ずその奇想天外さに驚かされる。まあオレの場合は”ボッシュ”を見る為に既にアマゾンさんには毎月配信料金を徴収されているのでこの分返してくれとは言えないがそれにしてもコレはあんまりじゃないですか?贔屓目に解釈して恐らくエメリッヒ監督も相手がチャイニーズじゃなけりゃこんな映画は作ってない気がするのですが、、どうでしょう?

 

 

 

”マークスマン”(21年)

同じように追手から逃げる少年と彼を助ける森林火災監視官って映画もあった。過去を引きずったアンジョリーナ・ジョリーが父親を殺された少年と必死の逃避行を演じていた映画だったがこっちは舞台をテキサスとメキシコ国境の近くに設定しママが殺された少年を助けて遠くシカゴ目指して逃避行を演じるのがリーアム・ニーソンだ。

 

 

そう言えばハリソン・フォードが殺人の現場を目撃した少年を助けてアーミッシュ部落に匿われる映画もあった。その”刑事ジョン・ブック 目撃者”はもっと古いがかなりの秀作だった。この”マークスマン”も”モンタナの目撃者”も遠く及ばないがそれでも理不尽な運命を背負ったリーアム・ニーソンはミゲル少年の殺されたママの最後の言葉を忠実に守り、遠くシカゴまで少年を届ける元海兵隊の狙撃者を好演している。

国境に近いところでベンジャミンと言う愛犬と牧場を経営しているジム・ハンソン(L・ニーソン)だが奥さんをガンで亡くし孤独な生活振りだ。経営が上手く行かず銀行から強制売却案を提示されている最中、メキシコから鉄条網を破って逃げて来た母と11歳のミゲル少年を見かける。

彼らを追ってメキシコの麻薬カルテルの一味が銃撃して来て母親は凶弾に倒れてしまう。その最後にシカゴの住所が書かれたメモを手に握らされる訳だが銃撃戦の最中に弟を殺された首謀者一味は国境を越え執拗に追いかけて来る。

そんな逃避行だが悪い奴らには行く先が筒抜けで何処までも追いかけて来る。町のパトロール保安官を買収していたり、クレジット・カードの使用先からジムの足取りを追ったりでなかなか手強い相手なのだ。そんな追撃の最中にそもそもナンで母親と息子が追われる事になったのか謎解きもあるが息もつかせぬ鬼ごっこが最後まで続く、、。

まあ最後まで無難に仕上げられているがオレ的にはもう一捻りが欲しかった、、それと愛犬が銃撃されるのはちょっとなぁ~、、それと終盤になってもシカゴでミゲルを待ち受けている人が誰かは判らないし無事送り届けたジムがバスの中で息も絶え絶えなのがスッゲー気になってしまった。こりゃ名作、”シェーン”へのオマージュかい??

このところ絶不調で映画も、外国ドラマのシリーズも普通のTV番組だってまるっきり見てない。コロナ禍の倦怠感か、、と言われても信じてしまいそうなくらいだが加齢と共に気力、体力、思考能力までも失われている気がしないでもない、。

 

 

 

ベスト・オブ・ロバート・デ・ニーロ

1943年生まれなので今や78歳になる。ニューヨークはマンハッタン生まれで父がイタリア系、母はイギリス、ドイツ、フランス、オランダ等の混合でモロ第二次世界大戦中の様相だ、。若くして俳優業に目覚めその目的を達成する為に演劇学校へ通っていたらしい。

 

 

当初は無名だったブライアン・デ・パルマ監督と親しくしていたがその後、切っても切れない関係となるマーティン・スコセッシ監督に見いだされ”タクシードライバー”や”レイジング・ブル”、”グッド・フェローズ”、”ケイプ・フィアー”で開花している。それと前後してフランシス・フォード・コッポラ監督に大抜擢され”ゴッドファーザーII"では若きドン・コルレオーネを演じているのだがこれが世界の頂点に立つ役者=映画=各種映画賞の獲得に繋がりロバート・デ・ニーロを名実共に俳優業の頂点へ押し上げてしまった。

 

ゴッドファーザーPart II"(74年)

タクシードライバー(76年)

ニューヨーク・ニューヨーク (76年)

 

 

ディア・ハンター (78年)

レイジング・ブル (80年)

恋に落ちて (84年)

 

アンタッチャブル (87年)

ミッドナイト・ラン (88年)

グッドフェローズ (90年)

 

レナードの朝 (90年)

ケープ・フィアー (91年)

カジノ(95年)

 

ヒート (95年)

Ronin (98年)

ミート・ザ・ペアレンツ (00年)

 

マイ・インターン (15年)

ありゃこれじゃ10本で収まらない、、。他にも多くの出演、主演作品があるのだがこれらは全部☆☆☆☆な映画である。

こうして見るとハリソン・フォードみたいに大ヒットしたシリーズと言うのは”ミート・ザ・ペアレンツ”(3本)以外には見当たらない。それはご本人が嫌ったのかそれともそんな企画が持ち込まれる事が無かったのかは判らないがアメリカの映画界を語る上で居なくてはいけない存在である事は間違いない。

”テーラー 人生の仕立て屋” (20年)

何の先入観も予備知識もなくチャンネルを合わせてしまった。さて見るかな、、っと思わせたキーワードは、、ギリシャ映画、長く続く高級仕立て屋が新商売に乗り出す、まあそれと邦題じゃなかろうか?原題は単に”Tailor"なのでそれだけだったら見てないかも知れないが”人生の仕立て屋”って副題にヤラれた。

ギリシャ最大規模のテッサロニキ国際映画祭では、ギリシャ国営放送協会賞、青年審査員賞、国際映画批評家連盟賞の3冠に輝いた。

とも書かれていたのだがそれは映画を見終わってから読んだので見たいと思わせるに至った予備知識にはなってない。

 

 

映画のストーリーは最初から最後まで至極単純明快で舞台はアテネ、其処で36年も高級テーラー(仕立て屋)として男子のスーツを手作りする父と息子の物語だ。ギリシャ国債不履行の影響で経済が破綻寸前、市内にあった小さい個人経営の店舗もまともに不況風にあおられ銀行に差し押さえられてしまう。そのショックで親父さんは倒れてしまい入院生活を余儀なくされる。

息子のニコス(ディミトリ・イメロス)は寡黙だが腕は確か、でも高級紳士服を求めて来る客は激減してしまい店には誰もやって来ない。そんな中で思いついたのがリアカーに仕立て用の布地を乗せて自分から移動する露店販売を思いつく。人通りの多い場所を見つけちゃ毎日リアカーを引いて行くのだがそれもなかなか思うようにならずタマに来た客には値切られる始末で材料費にもならない。

 

 

そんな毎日だったがある日寄って来たおばちゃんが”アンタ、うちの娘のウェディング・ドレスは作れないのかい?”と聞いて来る。散々値段の交渉もするが思うような金額で受注出来ない、、でも仕事がないのでやるっきゃないだろうと決心して仕立て屋人生初めて女性のドレスを作る決心をする。

そんなお話でそれから徐々に注文が入るようになりせっせと人力で引っ張っていたリアカーも次はバイクで引っ張るようになりかなり遠くまで営業に行けるようになる。

すっかり女性ものが専門になるなか紳士服の需要はほぼ皆無、自宅の隣に住んでいる洋裁好きのオルガ(タミラ・クリエバ)の手伝いもあってプレタポルテも売るようになり一気に”人生の仕立て屋”としてバイクから今度は大型トレーラーで移動販売&仕立て業に励んで行くようになる。っと言う人生転換の成功物語でした。

チョイと端折っている部分もあって見ている側は感情移入がし難い、、と言うかしようとすると場面が変わってしまうので物足りなさ感が募る。それにオルガにはタクシーの運転手をやっているダンナさんと小学生の女の子もいるのだが彼らとの関わりがイマイチ良く理解出来なかった。ニコスは独身だし誰を連れ合いに持って来ても良いのだがオルガ夫婦は円満らしいし家庭を放り出して、、と言う展開にはならなかった。

まあ車椅子の親父さんに最初、”ナンで女性のウェディング・ドレスだ?”と言われ”オマエは腕の良い伝統を重んじる男子スーツの仕立て屋ナンだぞ”、、とも言われるが完成したウェディング・ドレスを検証して”良い腕前になったなあ~、、”と褒められる場面がこの映画一番の見せ場だったかも知れない。ピカリと光る佳作ってところか??

 

 

 

”インビクタス / 負けざる者たち” (09年)

先日Youtubeを流してたら”Best of Morgan Freeman”と言う彼の出演作ベストテンが紹介されていた。その10位にランクインしていたのがこの”インビクタス”だった。公開された当時はほぼ国民全員がラグビーファンでもあるオーストラリアにいた訳だがオーストラリアVS南アフリカの対戦もあったし映画は大ヒット、かなりの映画&ラグビーファンが映画館へ押し寄せた。

背景は1995年のワールドカップが舞台、”スプリングボクス”(南アのチーム名)が決勝でニュージーランドオールブラックスと対戦して劇的な勝利を収める訳だがダメチームだったのを長かった幽閉生活から解放されて90年に大統領に選出されたネルソン・マンデラ(M・フリーマン)がチームにテコ入れし主将のフランソワ(マット・デイモン)の奮起を促し勝利するまでが描かれている。

 

 

 

 

まさに実話だ数多くある”スポ根”ものとはちょっと違って底辺にはアパルトヘイトと言われた差別がある。主に白人種がチームの主要選手だったスプリングボクスは黒人の間では人気がなかった。現に黒人選手も一人だけ、、その垣根を取り除いて全国民に浸透する強いチームにしたいと言う願いのもと大統領が自ら主将のフランソワと逢いワールドカップに出場出来るようにして欲しいと懇願するまでが中盤でそれから終盤に掛けてチームの快進撃が始まる。

更にクライマックスは強豪のオールブラックスとの対戦で逆転勝利する訳だがまさにこの辺りは結果は判っちゃいるが最後の最後までハラハラドキドキの試合展開である。

監督はクリント・イーストウッドで出演はしてないがモーガン・フリーマンとは”許されざる者”、”ミリオンダラー・ベイビー”とこれが三作目の付き合いだ。パパが出演せずとも息子のスコットがスプリングボクスの一員で出ているしもう一人の息子、カイルが音楽を担当しているのでこりゃもうイーストウッド一家の映画かも知れない。

そのモーガン・フリーマンだが他に選ばれた9作品には、、;

”グローリー”(89年)

ドライビングMissデイジー”(89年)

許されざる者”(92)

”セヴン”(95年)

ミリオンダラー・ベイビー”(04年)

最高の人生の見つけ方”(07年)

”ダーク・ナイト”(08年)

”アミスタッド”(97年)、等が入っていて最後はやはり、、

ショーシャンクの空に”(94年)がトップでした。

まあボクとしては”ディープ・インパクト”のアメリカ大統領も良かったんですがね、、でも90%以上大納得の選定だった気がします。