”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”冒険者たち”(67年)

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冒険者たち


日本で公開されてから半世紀以上が経過している。リアルタイムで映画館に座っていた洋画ファンはもうとっくに還暦を過ぎている筈だ。そしてこのタイトルを聞くと自然と”レティーシャ”と言うジョアンナ・シムカスの役名、それに被さるように繰り返し流れるテーマ曲と口笛を思い出す。

あの当時、あの時代だからこそ忘れ時の映画として印象深く記憶に残っている。今見るとちょっと引ける内容だしそもそも男二人に、女性一人の三角関係ってのはそんなに持続するもんなんだろうか?まあ映画の設定では数か月の出来事ではあるのだが、。

アラン・ドロンが一番売れっ子の時期、この前には”地下室のメロディー”、”山猫”(63年)、そして”黒いチューリップ”、”危険がいっぱい”、”黄色いロールス・ロイス”(64年)なんて映画にも出ていた。更にはハリウッドへ渡りアン・マーグレットと共演した”泥棒を消せ”(65年)、”パリは燃えているか”、”名誉と栄光のためでなく”(66年)等々多くの作品に出ている。しかし当時は人気抜群だったのにも関わらず代表作の”太陽がいっぱい”では逮捕を予感させるし多くの作品では殺されてしまうのだ、。この”冒険者たち”でも終盤親友のローラン(リノ・ヴェンチュラ)に看取られレティーシアと同じ運命をたどってしまうのだ。

最後のクライマックスシーンで背景として登場してくるのがこの旧跡、フランスのシャラント=マリティームのフラである。劇中、レティーシアの出身地と言う事でマヌーとローランが大金を遺族に届ける海岸の街、その沖合にある人口島なのだがこれが日本なら差し詰め長崎沖の”軍艦島”、ローランは三人で探し当てて手に入れた大金の分け前でこの島を買い取りホテル&レストランに改造する計画を持っている。無論それはレティーシアがこんな場所に住みたい、、と言い残した言葉に誘発されているのだが、。

 

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シャラント=マリティームのフラ

夢に破れた三人の若者、ひょんな事から海底に眠る大金を探し当てる事が出来たのだがやはりあぶく銭は身に着かない、言い出しっぺの雇われパイロット、レティーシア、それにマヌーと三人は大金どころか命まで落としてしまうのだ。そんな青春の淡い結末を描いた秀作だ、。