”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”ゴールド”(74年)

この映画は原題もそのまま”Gold”と実に素っ気ない、もうちょっと気を利かせたタイトルなら良かったんだが、。主演は当時007役で大ブレイク中のロジャー・ムーアで対するのはスザンナ・ヨーク、公開年度から行っても見ているよな、と思ったが全然知らない映画だった。

確か別のタイトルで書かれた原作があったと思うのだが、南アフリカの金鉱発掘事故にまつわる事実に基づいたパニクリ映画だった気がする。この映画が制作された時代は精巧なCG処理や大掛かりなスタントもなかったのでアップを多用し背景の音響効果で緊迫感を煽るのが唯一の制作方法だった。

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こんな感じのロジャー・ムーアで撮影時はもうアラフォーど真ん中だった。

通常のパニック、、デザスタームービーだとオールスターキャストにして各自が織りなす人生模様がパニック度をもっと煽るのが常道だがこの”ゴールド”では主要な主役は先の二人のラブロマンスに集約されている。

そしてこれは原作を書いたウィルバー・スミスの狙いどころが良いのだが事前災害的に事故が起きるのではなく故意に策略を巡らし金鉱に事故を起こさせると言う設定になっているので”金鉱VS投資する側”の対立になっているのだ。

大金持ちでこの金鉱事業を推進するのがオーナー、ハーシュフェルドレイ・ミランド)でその孫娘がテリー(スザンナ・ヨーク)、その夫がワルい奴で社長のスタイナー(役名)。現場監督責任者がロッド(ロジャー・ムーア)となっている。

その悪事と言うのが普通に金鉱を掘って掘って、金を運び出すって事ではなくこの金山を水没させてしまい自社株の大暴落を誘い既に持っている金塊の価格を高騰させる、、と言う何やら007で”ゴールドフィンガー”が企んでいたような事故を誘発する計画だ。企みはこの金鉱へ出資している各国の企業なり個人株主で投資シンジケートが先導すると言う何とも不可解な陰謀である。

現場監督に抜擢されたロッド(R・ムーア)は地質学者が調査して”其処には水脈はない”と保証されている報告書を信じる気はなくもしもの時を想定して爆薬を点火し水脈から流れ込む水路を遮断する作戦を施している。

テリーのワル夫が社長を務めロッドにはこの計画を見抜けまい、、と現場監督に抜擢しテリーと恋に落ちた二人を週末に現場から遠く離れた避暑地へ誘導し金鉱の爆破を実施する計画を実施するのだが、、。

原作がしっかりしているので最後まで緊迫感一杯で満足出来る映画だった。ロジャー・ムーアもまだ若いし魅力充分、スザンナ・ヨークはもっと若い頃は清廉で妙に色っぽい魅力満点だった。”トム・ジョーンズの華麗な冒険”ではアルバート・フィニーと共演していたっけ、、。