”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド”(19年)

公開当時から知っていたしその格段と高い評価も知っていた、、、でも何故か今日に至るまで野球で言えば”申告敬遠”をし対戦視聴するのを避けていたのだ。でもやっぱりそろそろアカデミー賞だし何本かは見て置かないとfpdさんに愛想を尽かされそうなので思い切って500円を払ってしまった、。

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しかしこの映画を見る前に声をデカくして言いたい、、原題は”Once Upon a Time in Hollywood”(その昔、ハリウッドでは)なんだがそれをそのままカタカナにするかぁ??もう配給元の怠慢としか思えない、、そりゃ昨今原題をそのままカタカナ化するのが常套手段だし意味はナンであれそのまま原題を固有名詞化する事で若い世代に受け入れて貰いたいんだろう。”ワンス・アポン、、”だ何てそのままカタカナ表記してその真意が判る訳はない、何故もっと映画の内容に沿った邦題を考えられないんだろう。こんな邦題を見るとかの”リバー・ランズ・スルー・イット”とか、同じような”ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ”なんてのを思い浮かべてしまうのだ。

映画はクエンティン・タランティーノ監督、10本目の作品になる。これまでに、、;

レザボア・ドッグス(92年)

パルプ・フィクション(94年)

ジャッキー・ブラウン(97年)

 

キル・ビルVol・1(03年)

キル・ビルVol・2(04年)

デス・プルーフ in グラインドハウス(07年)

 

イングロリアス・バスタース(09年)

ジャンゴ 繋がれざる者(12年)

ヘイトフル・エイト(15年)

 

ワンス・アポン、、、、(19年)

とコンスタントに92年以降撮っている。確かにその手法は斬新でかなりお決まりのグロいシーンもあるのだが(それが代名詞)これまで著名な監督が表現しきれていない主人公の内面を独特の感覚で観客に訴えて来る。それが圧倒的な人気を誇りハリウッド映画界を牽引していると言っても過言ではなかろう、。個人的には”ジャッキー・ブラウン”のような黒澤監督手法とでも言える”対象物を逆の目線”から撮ったカメラアングルや随所に使われる効果的な音楽は他の作品以上に好きなのだ。

この映画では背景が60年代後半、、もうおっさん世代には仰け反る程に嬉しい選曲でタラちゃん(監督)は63年生まれなので彼自身は知るまいがBGMもど真ん中のストライク、、それこそオールデイズが満載なのだ。

背景に出て来る上映中の映画のタイトルやウェストウッド・ビレッジの映画館等々、、それに走っているクルマなどもまさにあの当時を再現している。シャロン・テートがチョイ役で出ていたディーン・マーティン主演のマット・ヘルムス秘密情報部員モノを見に入る映画館などは後年、”ロッキー”が上映され映画館を二重三重に入場券を求めて観客が並んでいたしそんな事がメッチャ懐かしく思い出された。

映画で主演を演じる二人、レオナルド・デカプリオとブラッド・ピットには他の複数の出演者と違ってそのモデルになった実在のモデルはいない、、でも映画で語られるデカプリオの素性は以前テレビドラマで大人気、それもシリーズ西部劇ものとなるとスティーブ・マックイーンだしイタリアへ渡って”スパゲッティ・ウェスタン”(日本じゃマカロニかな?)で脚光を浴びたのはクリント・イーストウッドなのだ、。映画のなかで映画を撮る手法、それに時間が前後するので面食らう個所もあるが逸話となるシーンには馴染みがあるし”ああ~、そうだったのか”と妙に納得してしまう。

そんなで映画”大脱走”のワンシーンを使いスティーブ・マックイーンデミアン・ルイスが妙に似たメイクで出て来たり、あの配役には3人のジョージが主役を狙ってたんだぜ、、何て言われると思わず乗り出してしまうのだ、、、因みにその3ジョージとはジョージ・マハリス、ジョージ・ペパードそれにジョージ・チャキリスなのだ、確かにあの頃、3人ともテレビや映画に大活躍だったし妙に説得力があるのだ。そんな3人の名前が瞬時に誰か判るにはかなり年季が入ったファンじゃないと理解出来ないと勝手に解釈しまうのだが、、。でもこんなシーンはかの”ゴッドファーザー”でフランク・シナトラのモデルに扮したジョニーが”地上より永遠に”に出さしてくれろ~、、とドン・コルレオーネに泣きつく場面同様かなり信憑性が高い。

ラストでシャロン・テート惨殺事件がそのまま再現されるんじゃなかろうかとちょっと身構えていたが其処はブラピが上手い事、ヒーロー役を演じてくれた。無論、デカプリオだって火炎放射器で援護をしてくれたのだがさてプールに向かって火炎放射器かな、、?っとちょっと首を捻ってしまった。第一幾ら映画の小道具として使ったとしてもあんな物騒なものを自宅に置いておくかいな?それよりブラピの愛犬、ブランディには敢闘賞&ペット最優秀演技賞を進呈したい。

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もし”リアル・ハリウッド伝説”とか単に格調高く”ハリウッド・ストーリー”って邦題なら映画館へすっ飛んで見に行っていたんだが、、でもタラちゃん、ちゃんと収益には貢献させて貰いましたぜ。