”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”The Harimaya Bridge / はりまや橋”(09年)

う~ん、、この記事もリバイバルだな。でも最初に記事にしたのは2009年だったのでそろそろリバイバルしても許して下さい。

劇場用に制作された長編映画だが制作資本はアメリカン、韓国の合作、そのプロデューサーとして采配を振るったのが”リーサル・ウェポン”等で大活躍だったダニー・グローバーだ。原題は”The Harimaya Bridge”で何やら”The Waterloo Bridge” = ”哀愁”を思い出しそうだが邦題は副題、”はりまや橋”になっている。

以前のYahooブログに書いたのは、、;
 
これまで東京などの都会を舞台にした日米合作は多いのだが高知を舞台に極めて撮影、風景が見事と前評判が高い。”さゆり”じゃないが余りに偏見とか間違いが多いのが常でこの手の映画には関心がなかったのだがこの映画には期待している。日本側の配役陣はしっかりしているし最初から企画に関わっているので見ている此方がのけぞる様な場面はないだろう。
一見ドキュメンタリータッチを思い起こさせる手法のようだが果たしてどうだろう。亡くなった息子が住んでいた高知をオヤジさんが訪ね、素朴な交流を通して日本人への理解を深める、、と理解しているがそれ以上の事は見るまでは知りたくない。
 
っでこれじゃ尻切れトンボ??どうもこの時点では作品本編は見てなかったんじゃなかろうか?
 

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映画は原案を作り監督も務めたアロン・アルフォークで自身が23歳の時に外国語指導教師として高知へ派遣された時の体験談が元になっている。
 
長らく疎遠だった息子が高松で亡くなったと悲報を受けその形見を整理しに父のジョセフ(D・クローバー)がサンフランシスコからやって来る。アフリカ系アメリカンとして日本には余り良い印象も持ち合わせておらず必要な事だけを処理してすぐに帰国する積りでいるのだが、、。映画はそんな父親の目を通して息子が日本で一体どんな生活を、どんな周囲にいる人たちと過ごしていたんだろうかと高知の人たちに触れる度に父親の気持ちが微妙に変化していく様子を克明に描いて見せてくれる。
 
この偏屈爺だったジョセフ、、高知で色々な人に遭遇しつつかつて息子が世話になっていた家族や友人そして仰け反って驚くような出来事に遭遇する辺りではすっかり好々爺になっているしその過程が実に見事に描かれているのだ。それに清水美沙、重要な役どころだが実に英語が上手い、無論脚本ありきだが指導を受けずとも日常的に英語に接している事が判る流暢な喋りっぷりには驚いた。
 
無論、日本側からも大勢のスタッフが参加して撮影、現場監督、照明、録音、舞台設定から音楽まで一級の映画人が参加しているので見る側には一切違和感はない。セリフだって、それを喋る配役陣だってもう100%日本製ドラマになっているのでヘンテコな場面やむず痒くなるような陳腐な台詞なんかはありゃしない。そんな莫大な制作費を掛けずともちゃんとやれば出来るんだと言う立派な証明になっている。
 
この映画はもっともっと広く国内で見れる環境を作るか配信して欲しいものだ、、どうもこの”はりまや橋”と言うのは”思案橋”や札幌の時計台と並んで全国がっかり名所に何時もランクインされているように聞くがなんのなんのそんな事はお構いなしさ、。