”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”白い帽子の女”(15年)

何の先入観もナシに、”白い帽子の女”と聞けばミステリー?っと反射的に出て来ないだろうか?一応念の為と思い原題を調べたら”By The Sea”だった、、海辺がいきなり白い帽子か?もうこの時点で配給元の感性を恨んで見なきゃ良かったんだが、、。でも下の欄に、配役はブラッド・ピットとアンジー・ジョリーとある、そして監督がアンジーだし、、ついチャンネルを合わせてしまった。

 

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そして1時間半後、残り20分以上を残してスウィッチ・オフ、、敢無くザ・セツしてしまった。ワタシも何処かの評論家氏のようにどんな映画でも酷評する事はしない、どんな映画でも必ずや良い演技、良い場面、良い展開、良い演出があるものなんだがこの映画に関しては”良い風景”っきゃなかったのだ。

そりゃ中にはこれは素晴らしい、、と絶賛するファンもおられるだろう、そりゃ映画なんてのはその個人が見たままに何かを感じ取る事が出来ればそれで映画本来の目的だって達成する。なので他人がとやかく言う筋のものではない、、でもこの映画には参った。降参、もう絶対に見ません許して下さい、、と此方から懇願したい。

要するに、、ローランド(B・ピット)とヴァネッサ(A・ジョリー)の倦怠期漂う夫婦がマルタ島の風光明媚なホテルへ向かっている。どうやらローランドは作家でこの旅行では執筆構想を練り小説の元ネタを仕上げたいようだ。一方のヴァネッサはナニもしたくない、やりたくない、関心がない、放って置いてって雰囲気だ。

そしてその岸壁に建つ素晴らしいホテルに落ち着き映画がスタートする。ところが最初の一時間、ローランドがやる事といったら毎日酒を飲むだけ、朝からジンだウィスキーだで小さな町の酒場兼カフェに入り浸り状態、仲良くなったのはそのお店の店主だけ、、そしてヴァネッサはやはり近所のお店で食料品を買ったりはするがこれまた朝からワイン漬けでホテルに閉じ籠り状態だ。

二人で食事をするでもなくこんな状態で二人の置かれた”状況と距離”が延々とスクリーンに再現されて行く、、もう完全に山なし、谷なしでローランドは”飲んでぇ~、飲んでぇ~、ひたすら飲んで、飲まれて飲んで~、、やがて男は潰れるのでしょう、、”っともろ日本の歌謡曲を地で行く有様だ。

二人がロクに会話もしないのでこりゃ過去に何かがあったって事はアホじゃなくても判る。そんな展開からホテルの部屋の隣に若い”新婚さんいらっしゃい”でちょっと変化が生じる。その変化ちゅうのが隣室との壁に穴ポコをヴァネッサが発見してそこから毎晩隣の新婚さんの部屋を覗くって事だ。もうこの時点でこりゃダメだぁ~、、と思いせめてそれじゃアンジーのヌードくらいは見てやろうと頑張った。

その頑張った甲斐はあったものの今度はローランドまで覗きに執念を燃やし始め二人でピーピングトム状態の映画に成って行った。もうこの時点で残り20分を残しこっちもキレたしテレビも切れた。

そりゃ二人が苦悩してこの風光明媚なマルタへやって来て何とか関係を改善したいと言う意気込みは理解出来るしかし何ともはや脚本も演出もあるんだかないんだか、これがアンジー&ブラピの実生活、破綻までのドキュメンタリー映画だとしたら評価はガーンと上昇する、。ところでナンで邦題は”白い帽子”だったんだ?黒い帽子もかぶっていたんだがなぁ~、、。これは久し振りに最初から最後まで期待を100%裏切られた一作だった。同じ”バイ・ザ・シー”でもマンチェスターは☆☆☆☆でマルタは☆だぁ、。