NHKが制作した三話完結のドラマ、普段なら見向きもしないのだが何となく”制作年度”、”老夫婦”、”オーストラリアがテーマ”とこりゃもうストライクゾーンにぴったりなドラマだったので最初の一話を見てしまった。邦画は実に久し振りかな、、うん、洋画だってこのところ全然見てない?
主演は八千草薫、大滝秀治がシニアカップル、共演に河原崎長一郎、田中健などの知った顔、そして脚本が山田太一となれば違和感は一切ないのだ。それに制作された89年ってのは丁度我々がオーストラリアへ渡った年でまさに日本はバブル最盛期だった。
ドラマの大筋は、、;
定年退職後の老夫婦が、海外も視野に生きがいを求める姿を追う人間ドラマ。バブル景気下で推奨された高齢者の海外移住計画を背景に、山田太一が岐路に立つ二人暮らしの夫婦の生き方を描出する。定年を迎えた後、家に引きこもりがちな竜作(大滝)に不満を覚える昭子(八千草)は、気乗りしない夫を説き伏せ老後の海外移住を掲げる見学ツアーにともに参加し、オーストラリアのパースに1週間滞在するが、帰国後の夫婦の心情に変化が芽生える。
と言うお話だが我らより丁度30年くらい年長のシニア世代(当時の)が思い立って海外移住へ走った時期で実際、オーストラリアは大人気、そうやって日本を脱出して来られた日本人が大勢いたものだ。ワタシの場合はまだ現役真っ最中だったしそんな海外へ移住するだなんて気はさらさら無かった。単にちょっと有利で年収も増えるかな、、程度の気持ちであくまでも辞令を貰って”転勤”した気分だったのだが、。
ドラマの方は大滝秀治のキャラクターが実に面白い、奥さんは(八千草薫)は実に社交的で外の世界に興味がいっぱい、ご主人は正反対で外は苦手、友人も作らず、ひたすらマイウェイを貫いている。当然のように奥さんが不満に思っている事には無関心だし口は下手で典型的な勤労サラリーマン、自己主張が強く奥さんには思いやりの欠片もない、とまあそんな性格でどうも見ているとこっちがこそばゆくなる。
ご主人役の大滝秀治には共感出来るし八千草薫演じる奥さんの”このまま老いていくのはイヤ”と言う気持ちも良く理解出来る。そして奥さんが探して来た”オーストラリア永住の旅に”と言う説明会へ嫌がるご主人を連れて出掛けて行くのだ。其処までが一話、残りは二話あるそうだがそれは又の機会に、、。