”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”道”(54年)

これはやはり名作、、なんだろうな、。監督はフェデリコ・フェリーニ、制作したのはカルロ・ポンティディノ・デ・ラウレンティス、音楽がニーノ・ロータとイタリア映画界を代表する重鎮たち、映画人達だった。主演にマルチェロ・マストロヤンニでも配役されていたらそれこそオール・イタリアンだったが主演はアンソニー・クイン、そして幸薄のジェルソミーナを演じたのがジュリエッタ・マシーナである。

個人的にはピエトロ・ジェルミ派なんだが同じ時代にスクリーンに描かれたアンドレアとサンドロ親子の”鉄道員”(56年)の方が共鳴出来るし”道”より☆半分くらい余計に計上したい。

 

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さてこの”道”だが粗暴で乱暴者のザンバノ(A・クイン)は大道芸人として生計を立てている。とは言っても唯一の持ちネタは胸に回した5mmのチェーンを踏ん張ってぶち切ると言う簡単な技で時にはサーカス団の一員としてイタリア国内を巡業している。

そんなザンバノが出会って”貰い受ける”のがジェルソミーナ(J・マシーナ)だ。彼女は道化師の格好でザンバノを助ける役割だが純真で人を疑う事を知らない、、このザンバノとバイクの後ろに接続された”小屋”で寝泊まりする生活にすっかり満足している、。

この二人の交流と旅する様子を描いているのだが相変わらずザンバノは粗暴でジェルソミーナに対してもDVまがいの対処しか出来ない、そこへ登場して来るのが同業者で綱渡り師のイル・マットだ。ザンバノとは昔からの知り合いだがお調子者でジェルソミーナには言葉巧みに近づいて来る。

同じフェリーニ監督の”8 1/2”とか”甘い生活”よりは判りやすい映画でアンソニー・クインジュリエッタ・マシーナに最後まで引き込まれる。ザンバノの生活を通して人間の孤独さ、身勝手さを、、それらをニーノ・ロータの音楽に載せて魅せてくれる。やっぱりこんなのが名作なんだろうなぁ~、、。