”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”女王陛下の007”(69年)

これは007モノとしては過去に一番見る回数が少なかったかも??理由としては勿論ショーン・コネリーの後釜として抜擢されたジョージ・レーゼンビーがその理由だ。

 

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そりゃタッパもあるしあのふてぶてしい風采、それに若くてアクションはこなせるし当時、プロデューサーのサルツマン、ブロッコリ両氏が”うん、行ってみよう”と頷いた事は察する事が出来る。でも彼は生っ粋のオージーで原作に出て来るボンドとはかけ離れているのだ。

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イアン・フレミングが書いた原作としては確か10作目で監督はピーター・ハント、内容はかなり現代にも通用するんでないかと思えるモノで宿敵、ブロフェルドが出て来る。最もコイツが一連のシリーズではそれまで”顔出し”はしてない黒幕だ。それが今回、直接対決をする事になるがアタマはハゲでもテリー・サバラスが演じていてこれがミスキャストだった。この時代、このおっさんは”刑事コジャック”で有名になってしまいどうしても根っからの悪人って雰囲気ではないのだ。

原作としてはかなり良い、最初の”ドクター・ノオ”とか日本を舞台にした”007は二度死ぬ”なんかより数段上だと思っている。でもやっぱりジェームズ・ボンドが本気で恋に落ち結婚するって設定は良いとしてもボンドの衣装が悪いのだ、、ヒラヒラの付いた民族衣装用のシャツとかスカートまでは履いて出て来るし指輪を買いに行く場面じゃナンと空色のスーツ姿だ、、オージー訛りは辛うじて封印しているが明らかにキングズイングリッシュじゃないしユーモアあるセリフも全部が嫌味に聞こえちまう、。

それら全てレーゼンビーが悪い訳じゃなく脚本だったり衣装係だったり、でもその辺の決定権はプロデューサーじゃなくて現場の監督の責任じゃなかろうか?

全シリーズ読んだ感想としてはやはり”ゴールドフィンガー”が一番良かったか、、でも初めて書いた”カジノ・ロワイヤル”の最初の映画化ではズッコケたがリメイクされたダニエル・クレイグ版は過去に作られた24作中一番の出来だと思う。そうなるとやはり原作の良さを上手く映像化させる手腕はプロデューサーって事になるんだろう。

それに短編集を巧みに編集して長編作として見事に復活させる事だって可能だ。そんな007は”ナッソーの夜”、映画化された時は”慰めの報酬”(この邦題は今でも解釈が間違っていると思う)としてダニエル・ボンドの”カジノ・ロワイヤル”の続編として復活しているのだ、。

勿論その逆もある訳で素晴らしかった原作が映画化されトホホな結果になるケースだってあるわな、、。