日本の”Shall We ダンス?”(96年)は低額予算で制作されて日本のみならずアメリカやオーストラリアでも見事にセンター前にクリーン・ヒットを飛ばし派手な収益をあげた代表格だ。(アニメは別ですが、、)
その後(8年後)には、周防監督が脚本で参加してハリウッドでリメイクされ、ピーター・チェルソム監督、リチャード・ギア&ジェニファー・ロペ主演でこれ又、クリーン・ヒットだった。
設定は全く同じ、そりゃ舞台は違うが双方とも”ハートフル”な秀作で素晴らしい評価を得た。
映画のオリジナリティと言う点では完全に日本版の良さに軍配が上がるのだがタイトルはロジャー・ハマースタインの名作”王様と私”から流用されているしあそこまで100%完璧にリメイクされたらもう文句は出ないかな、、それに両映画、配役の良さも忘れられない、、;
竹中直人が演じたキャラはそりゃもう笑い転げるほど、片やアチラでは同じキャラをスタンリー・トゥーチが演じているのだがこれが又お見事、、オスカーの助演男優候補にノミネートされてもおかしくないと信じていた、。
日本版は後年、拡大ロードショーで米国本土そしてオーストラリア等でも上映され大好評を博した、、そこで映画の内容とは別に少しシビアな数字を追ってみると観客動員200万人を越し収益を16億円あげたそうだ、、一方のハリウッド版は制作費に50億円を計上し収益合計がアメリカ国内だけで軽く100億円を突破、、諸外国では日本を含め170億円を稼ぎ出しているそうな、。やはりスケールが違うんだな、、映画の出来は日本版に軍配があがっても収益となると足元にも及ばない、、。
日本では昨今”字幕派”、”吹き替え派”と言われるがアメリカもヨーロッパ諸国でも古くから字幕を読むのは一部のファンだけ、、それが一番のネックになり観客動員も200万を越す程度だったらしい、。従ってリメイクされる場合、そりゃ勿論字幕ナシの脚本、しかもハリウッドの俳優さんが演じてるのだから”見やすい”、”共感しやすい”に落ち着いたとの分析もあるそうだ。やはり英語圏で配給するには配役陣が英語じゃないと高収益は見込めない、、すると日本じゃヘンテコな事になり”Sayuri”みたいな事になってしまうのだ。
まあその辺が現実か、我等世代だとどうしてもその不自然さがハナについてしまう、、アラン・ドロンがイタリア語や英語を喋っている分には違和感はないがジョン・ウェインがフランス語でカウボーイ役をやっていたのには引いちまったな~、、。
少ない制作費で高収益をあげるのが制作者の本懐なら低予算で素晴らしく評価の高い映画を作る、、これも願望だろう、しかしこの数字から見ても明らかなように北米の大きなマーケットや世界を相手にするには50億円くらいの予算を確保し最初っから世界レベルの配給を目指さないと勝ち残れないようだ。
その映画製作もこのコロナ禍によって大きく変わろうとしているようだが、、何よりソーシャル・ディスタンスを守る為にはTVでの有料配信が近い将来、一番手っ取り早い方法でコレが世界の映画鑑賞の流儀になりそうだ。
最後にごく低予算で制作された映画が大化けしてプロデューサーが高笑いしたベストを、、;
”リトル・ミス・サンシャイン”(06年)
800万ドルの制作費だったのが公開され世界中で大ヒット、、収益はナンと1億ドルを稼ぎ出した。宝くじ並みの配当で☆☆☆☆だったでしょう。無論、映画の出来も素晴らしかった、。
”マイ・ビッグ・ファット・ウェディング”」(02年)
トム・ハンクスとリタ・ウィルソン(奥さん)が舞台劇を見て”こりゃイケる”と映画化権を買い取り500万ドルの制作予算を掛けて制作。これが何と世界中で大ヒットしてしまい過去の記録を全部塗り替えた。その総収入たるや3億ドルをドバっと超えて歴代の”収益率の最も高い映画”のランキングトップへ、。柳の下にはドジョウは二匹いませんでしたが、、それでもトム・ハンクス夫妻は何年にも渡って笑いが止まらなかったでしょう、、。残念ながら日本にはギリシャ移民がいないので内野安打程度で終わってしまったようですが、、世界中ギリシャ移民がいない国はない、、そりゃもう大騒ぎでした、、。
”ロッキー”(76年)
これだって当初の制作費は100万ドル(一億円程度)、それが大大メガヒットで収益は2億ドルを楽にオーバーしてしまった。此方はそれをきっかけに続編がどんどん制作され遂にシルベスター・スタローンは億万長者へまっしぐら、。
っとまあこんなところがトップスリーでしょう、、そりゃ”ブレア・ウィッチ・プロジェクト”に至っては格段に低い制作費だったと聞きますが、、そもそもオレは見てないし、その気もないので、、悪しからず。