”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”サスペクト - 薄氷の狂気”(18年)

原題は”Nomis"、、或いは"Night Hunter”と言うらしい。内容から行くとこの邦題の方が断然相応しいと思うのだが、、”サスペクト”はイラネぇ~、かな?

どちらかと言うとシリアルキラーを追う、刑事もの。何となく舞台は北欧みたいだがアメリカのミネソタ州、冬が長く、寒く凍りつく街並みで都会らしさは全くないのだ。

主演はヘンリー・カヴィル(元スーパーマン)とベン・キングスレー(元インドのガンジー)と言う異色の顔合わせ。個人的にはもうストライク・ゾーンど真ん中でこれが本邦初配信とか、そりゃ録画をするっきゃないだろう?

 

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映画の冒頭はいきなり寒そうな雪の中を若い女性が走って何かから逃げて来る。丁度橋の上に差し掛かった時に追ってきた”犯人”がすぐ傍に迫っていて恐怖に竦む彼女、っと次にその橋桁から仰向けに転落してしまう。それが丁度大量の樹木を運搬中のトラックの荷台でそのままトラックの運転手は何も気が付かず走り去ってしまう、。

そんな出だしで今度はベン・キングスレーの登場だ。手錠で繋がれた大男の上に立ち見下ろしていると男は正気に戻る。”オレに何をした”、、と叫ぶ男に言い放つのは”お前の貯金は全額被害者救済に使う、そしてオマエは二度と悪さを出来ないようにタマを二個とも切り取った、、”うっわー、こりゃ衝撃的な登場場面だぁ~、。

こんな感じで始まる映画はもうヤメられません止まらない、、どうも元スーパーマンヘンリー・カヴィルはマーシャルと言う刑事さん、そして元ガンジーはクーパーと言う正体不明な男だが自分じゃ正義の味方として自称悪人を懲らしめる使命を帯びている”悪人排除屋”(ヴィジュランテ)らしい。

先のマーシャルはトラックが終点に着き荷下ろしをしている最中に運転手が若い女性の死体を発見したとの通報があり早速現場へ出向く。それが冒頭4m落下してトラックの荷台に落ちた女性と判り身元確認を進めると同時に早速捜査を開始する。

手足には手錠の跡がありこれは長い間監禁されていたと推察した捜査班はトラックが給油した箇所、それに橋桁のある道路をしらみつぶしに当たって行く、この辺りの捜査判断はなかなかの出来でやっと彼女が転落したのではないかと思われる橋桁を探し出す。

其処から容疑者を割り出すのは比較的簡単で橋桁を中心に捜査した結果、雪の中に建つ家から犯人を連行して来るのだがコヤツの精神状態がちとおかしいのだ、。

此処までは一気に進みコイツが本当に犯人?となるのだがそうは簡単に問屋は卸してくれなかった、。終盤はあっと驚く展開になり(どんでん返しと言うのではなくて衝撃的な結末)一目散にクーパーや彼の娘、それにマーシャルの同僚の女性プロファイラー、レイチェル更には警察署のコミッショナー、ハーパー(スタンリー・トゥーチ)を巻き込んで”薄氷の狂気”にまっしぐらとなって行く。

正直なところプロット良し、配役良し、演出良しなんだがストーリー展開がちとツマンネーのだ。監督も凝った積もりなんだろうがどうも空回りしちまってサイコキラーを追っているのにその犯人に至る経過が疎かになりその結果、クライマックスになってもナンだか釈然としないのだ。これは実に惜しかった、、同じ衝撃的な結末に持って行くならクーパーの関わり方ももっと突っこんで欲しかった、、。