”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”100万ドルの血斗”(71年)

この映画はもう晩年のジョン・ウェイン主演の西部劇だがこれまで見るチャンスがなかった、。原題は彼の役名から”Big  Jake"なんだが”100万ドル”は良いとしても何故”決闘”、とか”決斗”とかじゃなくて”血斗”なんだろう??奇をてらって策に溺れたんじゃなかろうか?

西部劇と言っても時代背景は1902年、アメリカの東部では既に自動車が走り、電気もあるし映画館もあるようなかなり開けた雰囲気だ、しかし西部ではまだ皆さんガンベルトを腰にぶら下げ、自由に持ち歩いているし嫌いなヤツにはぶっ放している。

そんな出だしでいきなり悪党連合が画面に、夫々に”特技を持つ”悪人面がフェイン(リチャード・ブーン)に先導されて荒野を大牧場へ向かっていく。まあ特技と言ってもナレーションでは”○○はマジ切れ”、”○○は殺しが大好き”、”○○は殺しに大ナタを使う”とかの殺し方の手段であって頭脳的な事は一切ないのだが、、。

 

f:id:guch63:20201219085807j:plain

 

彼らの向かったのはマーサ(モーリーン・オハラ)が経営する大勢の人を雇っている大きな牧場だ。その牧場でいきなり銃を発砲、手当たり次第に撃ちまくって行く、最後にマーサの孫らしき男の子を拉致してマーサに”100万ドル”を身代金として要求し去っていくのだ。

マーサの長男は撃たれて重傷、次男は何とか無事だったが其処でマーサは”Big Jake"に助けを求める手紙を書く、。そのジェイコブが我らがヒーロー、ジョン・ウェインだ。どうやら西部では伝説のガンマンらしく周りの人はもうとっくに死んでいるものだと思っているのだ。話が進むにつれ、どうやらそのジェイコブはマーサの元夫で撃たれた長男、次男のパパ、そしてさらわれた子供は彼の孫って事が判って来る。

早速ジェイコブが町へやって来て、保安官一同と連合軍を作り大きな木箱には100万ドルを積み指定されたメキシコ国境の砂漠へ追跡を始める。此処で笑っちゃうのが保安官一行はナンと馬じゃなくて自動車を3台連ねて来ると言うこれまでの西部劇では見られなかった追跡劇だ。

ジェイコブは勿論そんなクルマでの追跡は断り自分はロバに大箱を積み、食料などは別の馬、3頭に分散して指定された場所へ向かう、。街道筋を向かう保安官一行は敵の待ち伏せに合い、折角のクルマは全部大破、何人も殺され茫然自失、立ち往生だ。

結局、襲撃を逃れた次男とライフル銃の名手それと最初からジェイコブの助っ人として同行してたハーフ・インディアンの4人だけで敵と対峙する事になる、、。

盗賊の首領、リチャード・ブーンがそりゃまあ憎たらしい悪人振りで見事だったしジェイコブ(マリオン・ロバート・モリソン=ジョン・ウェインの本名)はもうこの時にはとっくに還暦を過ぎていたがやっぱり西部のヒーローだった。モーリーン・オハラは冒頭に出て来るだけでそれっきりと言うのが残念賞だった、。それとジェイクが全編帯同していた愛犬(ドッグと言う名前)が大活躍するのだが最後の”血斗”場面で滅多切りに合う、アレは必要なかったんじゃなかろうか?可哀想だよ。

ジョン・ウェインの長男のマイケルがプロデューサー、次男のパトリック・ウェインがそのまま次男役で登場と一家総出の映画、音楽を担当しているエルマー・バーンスタインは”荒野の七人”っぽいテーマ音楽だったがやはりThis Is Westernだった、、。