”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”コールド・アンド・ファイヤー凍土を覆う戦火”(14年)

珍しいデンマーク映画と今度はこれ又、珍しいトルコ映画の二本立てをやってしまった。最初は”コールド・アンド・ファイヤー凍土を覆う戦火”、(英語の原題は”1864”となっている)そして”レッド・ホークス”と言う何やら野球のチーム名みたいな映画だ(原題は”Can Feda”)。

”コールド、、”の方はかなりな超大作、俳優名は全然判らないのだが背景はタイトル通り1864年でドイツ&オーストリア連合がデンマークに宣戦布告した時代の戦争巨編だ。どうやら本国では8話完結で放映されたTV用シリーズだったようだがそれをぎゅっと2時間チョイに集約した作品らしい、。結構アタマに汗かいて付けた邦題なんだろうが此処は原題の1864を生かして欲しかったなぁ〜、それにこの副題で良かった。

出だしはデンマークのかなり田舎、其処に建つ広大な敷地内にある大きなお屋敷、其処には敷地内にある農場に一家で働く家族がいる。兄がラウストで弟がピーター、パパもママも元気だったが少年時代にパパが破傷風か何かで亡くなってしまう。

そのお屋敷には新任の管理人の娘としてやって来たインゲと言う少女が居てラウスト&ピーター兄弟と3人はすっかり打ち解けて仲良くなって行く。そして場面は一転、15年の年月が過ぎてみんなすっかり大人になっている。

そんな中で先の戦争勃発に発展して行きこの二人の兄弟にも”召集令状”が舞い込んで来る。勿論お国を守る為に、と言う考えからこのお屋敷からも誰かが率先して参加するべしと管理人に要請が下り二人は志願してしまったようだ。

 

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そして解説にあるように一人の女性を愛してしまった兄弟が戦火に翻弄され其処から先はもう日本の”人間の条件”みたいな展開になる、。壮絶な戦争、そして戦火に弄ばれる3人の運命やいかに、、そんな一大叙事詩と言っても良い見事な作品に仕上がっていた。

こんな時、北欧の感覚ってのは当時どうだったんだろうと興味が沸く。アメリカじゃ西部劇の真っただ中だし日本じゃこの時代は年表を見ると”池田屋事件”があった頃で世界はあちこちで戦争が勃発していたしこのちょっと後には(1881年)”OK牧場の決闘”があったんだ、。

でも映画の制作現場じゃ北欧の人たちが期待するお話の展開ってのはアメリカとは微妙に違う気がする。これが日本なら戦火に耐えて耐えて耐え忍んで最後は戦死、ってのが良くある手法か?アメリカじゃこんな場合のヒーローは殺さないしやはり終盤は”やったぜ~、、”とばかりホッとした気分で映画館を後にする。この辺りのさじ加減がなかなか普段拝見するチャンスがないので”そうかそう来るか?”みたいな新鮮な気持ちで見れた。これは2時間に端折ってしまうより8話完結でシリーズ放映でも良かったんじゃなかろうか?