”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”LOVERS”(04年)

この映画はチャン・イーモウ監督の集大成とも言える秀作だ。前作”HERO”(02年)に続く作品で本国での原題は”十面埋伏”だが英語のタイトルは”House Of Flying Daggers”と言って”空を切る短剣の家”、即ち”手裏剣の里”じゃなかろうか?日本じゃ何故か”LOVERS”と英語表記だった。

オーストラリアでは大ヒット、それ以前に公開されたアン・リー監督の"グリーン・デスティニー”(00年)同様に当時公開されたチャイニーズ映画としては観客動員数、収益面でも最大級のセンターオバーのホームランになった。

兎に角、配役も良かったし背景そして撮影共に目を見張る素晴らしさには驚かされた。確かに荒唐無稽な演出ではあるが盲目の女剣士を演じたチャン・ツィイーの美しさにやられた観客も多いだろう、、それに対するのが金城武とくりゃ日本国内でも大ヒットする要素は満載だった。それまでは”キョンシー”とか言うアホくさい映画に人気があったのだがこれは正統派劇画として一線を画して”グリーン・デスティニー”を継承した”ワイヤーアクション”と言う独特の撮影方法を確立させた。

 

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王朝がその衰退を呈していた9世紀中頃の中国では、政治の腐敗から国内各地に反政府組織が乱立していた。飛刀門という反乱組織を討伐するよう命を受けた捕吏(罪人を捕まえる役人)の劉(リウ)アンディ・ラウは、美しい盲目の踊り子・小妹(シャオメイ)チャン・ツィイーを反乱組織の前頭目の娘として捕らえ、組織の情報を白状させようとする。

口を割らない小妹を組織の一員であると確信する劉は、同僚の捕吏の金(ジン)金城武に小妹を救出させ、逃亡の行方を追って組織の拠点をつきとめようと策をたてる。金は小妹を牢から救いだし共に逃避行の旅を続け、劉も2人の後を追う。2人の男と1人の女のあいだには、それぞれの策略と思惑と愛とが交じり合い、壮絶な最後に導かれて行く。

 

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とウィキには書かれているが端的に現代風に直してもこりゃ大いにあり得るストーリー展開ではなかろうか?

テロ組織の首謀者に通じていると信じる踊り子を捕らえ白状しろと迫る、、でも白状しないと判り部下の情報部局員を使って脱獄させ逃亡させる。何れ首謀者の元へ帰りつくだろうと思い追跡を始めるのだがその指令を出した上司も脱走を手伝った局員も同時にその踊り子と恋に落ちる、、って寸法だ。うん、こりゃハリウッドでリメイク出来そうだな、、そうだNetflixでやらないだろうか??

しかしまあこの頃のチャン・ツィイーは実に綺麗だった。あの”Sayuri”役だけは辞退して欲しかったものだが、今やアラフォーだ、、結婚して二人の子持ちらしいしちょこちょこと映画にも出ていると聞くが、、。