”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”ブラック・ダリア”(06年)

この1940年代後半のロスアンジェルスを舞台にした警察ものミステリーはその殆どを読破したジェームス・エルロイが原作を書いている。出版当時は暗黒のロス・シリーズとして脚光を浴びこの”ブラック・ダリア”、”ビッグ・ノーウェア”、”L・A・コンフィデンシャル”、そして”ホワイト・ジャズ”がその四部作(映画化されたのは2作)だが映画化に際してブライアン・デ・パルマが監督に選出された。

元ネタは実際に47年にロスで起きた殺人事件、東海岸のボストン出身だったエリザベス・ショートは女優志望でロスへやって来るのだがある日、市内の公園で惨殺死体として発見される。その事件捜査がメインテーマだがそれに関与するのがバッキー(ジョッシュ・ハートネット)とリー(アーロン・エッカート)のコンビだ。

 

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二人は元ボクサー、警察署内で開催されたボクシング大会で戦った事から”相棒”となった。殺人課ではないのだがリーがどうしてもこの事件の捜査に関与したくて現場に駆け付ける。二人の前には後にブラック・ダリアを呼ばれる事になるエリザベスの死体が、、それも胴体は切り離され内臓も無く口元も大きく切り裂かれていた。

そんな事件でさあこの二人は解決出来るんだろうか、、?が焦点に。同時にリーが同棲している相手がケイ(スカーレット・ヨハンセン)でこの三角関係も事件に微妙な影を落とし始めるのだ。それともう一人重要な役どころでマデリンと言う富豪の娘になるのがヒラリー・スワンクで最後まで重要なカギを握っている。

監督のデ・パルマは後年、”アンタッチャブル”(87年)で脚光を浴びるがその時の手法がこの映画にも散りばめられている。有名な”階段落ち”のシーンや上層階からまわり階段の真ん中を人が落下して行くシーンはそのまま継承されている。それに40年代の西海岸を上手く再現しているしコイツは好きなミステリージャンルからは今まで見逃していたド真ん中のストライクだった。

さてナンでこれまで見ていなかったのか?その理由が判った、バッキーを演じているジョッシュが苦手だったんだ、、それにスカヨもオレのタイプじゃないし(笑)。

原作はとっくに読んでるし何処でどうなるかは判っていた。無論、意表をつく犯人だって知っているしその動機だって判っちゃいるのだがこうして映像で拝見して見るともう完全に初めて見た気分だった。タマにデジャブじゃないがうん、このシーンは知っているぞ、と感じたのは本を読んでいたからだった。どうもIMDbじゃ評価は低いがこれは今週見た中じゃダントツで首位に躍り出た。