”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

リオ・ブラボーからエル・ドラドへの道のり

考察”リオ・ブラボー”(”Rio Bravo”)と”エル・ドラド(”El Dorado”)、、両方ともジョン・ウェインが主役を演じる西部劇で監督はハワード・ホークスだ。昨日もう何回目かになる”リオ・ブラボー”を見ていて妙にアタマがこんがらがった、それは双方にかなり多くの共通点があったって事だ。

まず制作されたのは”RB”が1959年でジョン・ウェインを始め共演者は大分若い、対する”ED”は1966年と7年もの差があった。そして共通する点は、保安官助手として登場して来る前者がディーン・マーチン、後者がロバート・ミッチャムが保安官で親友だったコール(ジョン・ウェイン)に今度は補佐官として助けられる。

当時は人気絶頂の二人、しかも面白い事に双方アル中でロクに拳銃も持てない、それを保安官が逆に補佐してやるってのだが保安官事務所で彼らの面倒を見ているのが爺さん同士で前者がスタンリー・ブレナン、そしてアーサー・ハ二カット、更には流れ者役で保安官から特別に任命される補佐役になるのがリッキー・ネルソンで名前が”コロラド”、後者の保安官補佐がジェームス・カーンで”ミシシッピ”と言う名前には思わず笑っちまった。

 

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こうなると日本の寅さんじゃないがお決まり役が全部揃い敵までも同じような設定になっている事に気付かされる。無論、女性の主役登場もあって”RB”にはアンジー・ディッキンソン、そして”ED”にはシャーリーン・ホルトと言う具合だ。

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西部劇には欠かせない音楽はデミトリ・ティオムキン、そして後者はネルソン・リドルが担当している。特に”RB”で使われる”皆殺しのメロディ”("El Deguello")は古くからメキシコに伝わるメロディーでそれをデミトリがアレンジしている。この曲は後年、ジョン・ウェインが監督、主演を務めた”アラモ”でも挿入歌として使われていた。それにこの映画で舞台になっている街のホテル名が”The Alamo”ってのにもビックリした。

そんな背景を見ながらあっと言う間の141分だった、、悪人どもだってかなり設定が似ている。街中で無防備の男を殺害した容疑で牢獄に入れられた弟を奪還しようとする極悪人の兄、、後者はエル・ドラドの街を牛耳ろうとする牧場主と共通するのだ。

最後まで見てこりゃ内容は似ているようでかなり違う設定かな、、っとは思ったがジョン・ウェインに関しては何時ものスタイルだし双方とも区別は付かないものだ。今度”エル・ドラド”を見る時は又、アタマが混乱するんだろう、、?

西部劇ファンとしては何方も甲乙付けられない映画だしハワード・ホークスの手腕が実に心地よい、、強いて言える事はアンジー・ディッキンソンが出ている”リオ・ブラボー”の方がやはりブラボーだったかな?