”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”魔術の恋”(53年)

こりゃ又、古い映画だが原題は”Houdini"と言ってマジシャン、ハリー・フーディーニの伝記映画だ。ハリー自身はハンガリー出身で1800年代後半からアメリカで大活躍をしていた魔術師だ。今風に言えばイルージュニストで特に閉め切った場所から脱出する技で有名だったらしい、。

その伝記映画の主演に抜擢されたのがトニー・カーチス、そして奥さん役がジャネット・リー、既に実生活でもおしどり夫婦として有名だった。パラマウント社が1951年に手記を入手、映画化権も獲得して即決でトニー・カーチス夫妻が抜擢された。

 

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背景は1890年、まだ駆け出しのマジシャンだったハリー・フーディーニはコニー・アイランドの遊園地で見世物興行をやっている。其処で知り合ったベス(J・リー)の協力で徐々にマジシャンとして頭角を現して行くお話だ。

当初は鍵のかかった金庫からの脱出、束縛服からの脱出と次々と新しい手法を考え出し終盤は水中脱出も企画する。確かに仕掛けはあるんだろうがそれでも身体全体を束縛された状態で関節を外す訳でもなく見事に脱出する技には観客も総立ちに、ベスの支援にも助けられ当時はホンモノのフーディーニは=魔術師の代名詞になっている。

確かオーストラリアでFOXが配信していたのを見たのだが果たしてもう一度見れるか?多分途中で止めてしまうかも知れないなぁ~、でも笑っちゃうのは遥かオーストラリアでも瞬時に姿を消すヤツを”コイツはフーディニーみたいなヤツでさ、”と常套句として使われたりするのだ。

この映画をきっかけに愛妻、ジャネット・リーとはその後4本の作品で共演している。それも”隊長ブーリバ”で共演したクリスティーヌ・カウフマンが現れるまでだったが、。

 

追記

実はこのトニー・カーチスとは後年ニアミスしている。ニューヨークにある老舗の寿司屋さん、上司だったH氏が馴染みで良く食べに行っていた。ワタシは出張で出掛けた際にランチを一緒にする予定で午前中に大事な仕事を片付けて駆け付けた。

約束の時間に行けず30分くらい遅れて到着したんだがそのH氏、”今まで隣の席にトニー・カーチスさんって言う俳優さんが居て一緒だったんだぜ。そんな俳優さん知ってる?”と聞かれた、。あああああ~、、ナンでそうなるの?っ己の不運を嘆いた。

どうも後から考えると”がんばれベアーズ”の続編で日本行きが決まっていたトニーさん、日本食に慣れて置こうとこのご近所の日本食へ出掛けて来たとか。

オレはそんな事とはつゆ知らず、近所の高層ビルで閉じ籠り事件の真っただ中だった。確か38階かの事務所へ行き、ついでに36階かの2階下の階へ行くのでエレベーターを使わず非常階段を降りたのだ。そしたら外からは入れても階段側からは各階施錠されていて出て来れないのだ。

結局必死になって階段を降り始めたが一階に着いても鍵が開いている保証なんかあるまい、もし全部施錠されていたらどうしよう、と本気にその時は震えたもんだ。

幸い10階分降りた時に引っ越し屋が非常階段口を開けて家具をターンさせている場面に遭遇、、難を逃れた。っで結局トニー・カーチスには会えなかったのだ。その晩はH氏を呪ったよ、、。