”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”グレン・ミラー物語”(54年)

原題は”The Glenn Miller Story"、この映画はリバイバル上映時に東銀座にあった松竹セントラルへ見に行った。兎に角、好きなジャンルなんてものはなくて封切りされる作品は片っ端から見ていた時期で向かいにあった東劇、その上層階にあった傑作座や松竹セントラルの横っちょにあった邦画専門館へも足げく通っている時期だ。

そしてこのグレン・ミラー、、何曲かは知っていたがビッグバンドのバンマス程度の認識しか持ち合わせていなかった。なので主演したジェームス・スチュワートの容姿がそっくりそのままグレン・ミラーとして頭にインプットされてしまった。確かにホンモノも背が高く、細身で後年そっくりじゃないかと再認識したものだ。

奥さん役に配役されていたのがジューン・アリソンで監督がアクションものの第一人者、アンソニー・マンだった。ミュージカルと言うジャンルではないのだが実際に鑑賞してみるとこれはミュージカルじゃないのか?と言える程にヒット曲のオンパレードで外へ出る頃にはコンサートへ行って来たような気分になれたものだ。何せ”ムーンライトセレナーデ”以下、ヒットを9曲もフルで演奏してくれた。

映画ではグレン・ミラーの半生が語られるのだが実物は僅か40歳で”消息を絶っている”ので実働20年余の物語だ。本職はトロンボーン奏者だが無一文の時代から苦労して演奏活動、そして作曲活動と、、早くに結婚した奥さんに苦労を掛けながらも名曲を生み出して行く過程は実に興味深く見る事が出来た。

1942年の戦争勃発と共に入隊しそれから楽団を率いて前線基地を慰問して回る生活、、そして44年にロンドンからフランスへ慰問の為に飛び立った飛行機がイギリス海峡で消息を絶ってしまった、、っと言う悲劇的な結末を迎え映画もそこでジ・エンドだった。


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この映画を拝見して初めてグレン・ミラーミュージックと呼ばれるオーケストラバンドを認識したかも知れないな。何れのヒット曲も歌詞はないのだが実にノリが良くて雰囲気は満点のメロディーだ。今でも何代目になるんだか、”グレン・ミラー楽団”と言うオーケストラが世界を股にかけて演奏旅行をしている。