”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”スパイの妻”(20年)

こりゃタイトルを目にしただけで興味が湧く、しかもJ:COMで配信されているチャンネルに合わせると550円課金されるがBSNHKで見れば無料だ、じゃあ見ない手はないぞ、と早速録画した。

全く予備知識はなく単に邦題に引き付けられた訳だが見終わって調べたらナンと外国じゃ色々な賞を取っているしブログを書かれている映画ファンの評価もかなり高いものがある。ちょっと予想外の評価にはやっぱりオレは邦画向きじゃないって事を実感した。

どうも原作があってそれを映画化した訳じゃなくてNHKが独自に制作したものらしい、エンドタイトルには1945年、終戦を迎え”スパイの妻”はロスアンジェルスへ移住、そして”スパイ”だった夫は死亡が確認された、、しかしその死亡報告は偽造されているようだ、、と出るのでてっきりこれは事実だったのか?と思い込んでしまった。

 

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ぶっちゃけそこに事実が述べられていた訳じゃなくてこの結末から観客が独自に結末とそれに至った経緯を想像してくれ、、っと解釈を任されているようだ。う~ん、そんな手法もあるんだ。

かなり大掛かりなセットを作り大勢のエキストラも参加している、、だがワタシにはイマイチ内容が良く判っていない。主人公は本職のスパイって訳じゃなくて商社マン、それも割と裕福らしい雰囲気だ。然るに自身が映画制作に関わっていたりあの上海から持ち帰って来たフィルムに写った人体実験の様子は軍部が密かに進めていたものなのか、それを摘発して軍部に混乱を引き起こす為なのか或いはそれを阻止して敵国のアメリカへ差し出しても誰も喜ばないし何の意味もないように思える。

終盤のシークエンスに飛ぶが船底に忍び込み、さあ出航と言う場面で”スパイの妻”は憲兵駐屯所へ匿名の通報があったとかで憲兵隊に発見されてしまう。この場面もオレ流に解釈すれば愛する”スパイの夫”が彼女を行かせたくない一心で逮捕させる事で身の安全を確保したんだろうか?

更に証拠となるフィルムも自分たちが撮影したドラマにすり替えて置いたと言う解釈なのか別の目的があったのか?どうにも良く理解出来なかった、、張本人はその後、上海からインドへ渡り目撃されたとあるがそれじゃまるで逃亡者だよ。そして結局、死亡が伝えられたと最後に”スパイの妻”が先生に言い渡されるものの死亡通知は改ざんされていた疑いがある訳で最終的にこの夫婦はロスで現地集合したと解釈すれば良いんだろうか?しかし戦後の混乱期に敵国だった日本からアメリカへ移民するってのも不自然だな、、余程ナントかプロテクションの恩恵でも被らないとアメリカ生まれの二世、三世だって捕虜収容所生活を余儀なくされていた筈なんだが、。

中盤オレの専属の”船頭さん”がやって連れて行かれそうになったが辛うじて押し戻したがやっぱり長かった、、115分をしっかり見せて貰ったがどうにも見終わって欲求不満が募ってしまった。こんな映画をしっかり理解して評論家諸氏に賛同出来るまでになるにはもっともっと多くの邦画を見ないといかんぞ、。それ以前に主演配役陣の名前を覚えないと、、。