”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”ジャン=クロード・ヴァン・ダム / ファイナル・ブロッド”(17年)

この映画は原題が”Kill 'Em All”と言って”全員殺っちまえ”みたいな物騒なタイトルだが邦題はもっと穏やかに主演俳優の名前を付けて”ジャン=クロード・ヴァン・ダム / ファイナル・ブロッド”と余計に訳の判らないものになっている。

ジャン=クロード・ヴァン・ダムと言えばベルギー出身のアクション派俳優でスタローンやシュワルツェネッガーの肉体派、更にはジェット・リーやスティーブン・セガール等の空手やキック・ボクシングの使い手として同列に語られていた事もあったがそれももう還暦を過ぎてしまい今や”昔の名前で出ています”状態になっている。

映画の舞台はロスアンジェルス、そして病院内での出来事なんだが微妙にお話が前後する、、過去や未来に飛んで行く訳じゃないのだが病院へ押し込んで来る殺し屋風情の一個師団、どうも彼らは誰かを探している様子、。そこでいきなりフィリップ(JCヴァン・ダム)を巻き込んで殺戮が始まってしまう。

そして次の場面ではFBIの捜査官に尋問を受けている女性が、名前はスザンヌ(オータム・リーサー)、病院内で保護された看護師さんで先の殺戮現場で隠れている所を発見された目撃者と言う事らしい、。

FBIの担当官が二人、執拗に彼女を尋問するのだが別に彼女が当事者って訳じゃなくあくまでもフィリップと一個師団が戦っていた様子を聞き出そうとしているのだ。画面で展開された派手な殺し合いと対決振りを見たままに供述しているのだがFBIの二人はどうもスザンヌの言う事を100%信じているようには見えない。

 

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そして又、冒頭のシーンに戻りフィリップとこの殺し屋軍団は一緒に病院へやって来て上層階で治療を受けている大ボスの口封じが目的らしいと判って来る。最初は全員仲間と思いきやフィリップと殺し屋連中は殺し合いに発展し看護師だったスザンヌが怪我をしたフィリップを介抱したりしている。

そんなでドンパチ、ドンドンバギューンの連続、するとこのスザンヌも黒帯8段とかで滅法強いのだ、かくして殺し屋軍団に襲われて命を狙われ二人で窮地を脱する為にあの手この手で防戦だ。

やっとフィリップは上層階へ辿り着きベットに寝ている大ボスに弾丸を浴びせ目的を達成したらしい、。どうもコヤツが20数年前のセルビア時代に父親を殺害した真犯人でその復讐劇と言う事だったらしい。そして再度、助け出されたスザンヌを尋問するFBIの尋問室へ、やっと彼女は尋問を終え無罪放免となるのだが、、、。

そこから先は名作”ユージュアル・サスペクツ”の90%リメイクだ。スザンヌには特殊能力がありFBIの担当者が書類を手にして尋問している時でも彼のメガネに反射して写った文字をちゃんと読み取り、優等生的回答をしていたのだ。それに気付いて建物を出て行くスザンヌを追うがもう後の祭り、何処にもいない。一方建物から出て来たスザンヌはカツラを捨て綺麗な金髪へ、、そう病院からの最新報告でホンモノのスザンヌは物置場に縛られて押し込まれていたらしい、。

すると地下の駐車場を歩いていたスザンヌの脇に高級車が停まりドアが開くと、、何とそこには逃亡してしまったと持っていたフィリップが笑いながら彼女を乗せ何処かへ去っていくのでした。この最後の5分にはやられちまった、なんの事はない二人はグルで長年の願い、復讐を遂げたのでありましたとさ。