”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”30年後の同窓会”(17年)

原題は”Last Flag Flying”と言う、、余りに邦題とはかけ離れているのが気になって録画予約ボタンをポチン、、。そしたら予想通り全く違うお話だった、、でも原題の”最後の旗がなびいている”と邦題の”30年後の同窓会”も双方共に適格に内容を表しているのは良かった。余りにも原題と邦題の違いがあり過ぎて気になったと言うのはレアケースかも知れないぞ、。

映画の冒頭はドク(スティーブ・カレル)が旧知のサル(ブライアン・クランストン)が経営するバーに入って来る場面からスタートする。二人はベトナム戦線で戦った仲で二人にはもう一人リチャード(ローレンス・フィッシュバーン)と言う今は牧師として教会活動に従事している戦友がいる。

 

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そしてドクとサルは連れ立ってリチャードを訪ねることになる。ディナーの席で、ドクは妻は病死、それと一人息子をイラク戦線で亡くしたことを明かす。ドクがサルとリチャード・ミューラーに会いたがったのは、イラクで戦死した海兵隊員の息子ラリー・ジュニアの遺体を引き取りに行くのに同行して欲しかったからなのだという。

サルが直ちに同行を申し出る一方で、リチャードは同行を渋る。海兵隊員だった頃の思い出には嫌なものしかなかったからである。しかし、妻の勧めもあって、最終的にリチャードも旅に同行することになった。

道中、サルは敬虔な宗教者になっていたリチャードをからかい、その大人げない振る舞いにリチャードは苛立つ。海兵隊員だった頃、サルとリチャードは酒・女・ドラッグに溺れる日々を送っていた。2人はドクが管理していた痛み止めのモルヒネを乱用していて、その結果、痛み止めがなく苦しみながら仲間の一人が命を落とし、管理責任を問われたドクは三年の刑と懲戒除隊処分となっていた。そのことが2人の間に大きなわだかまりとなっていたのである。

軍の基地へ到着してすぐ、ドクは息子ラリーの遺体と対面したいと申し出るが、基地の責任者であるウィリッツ大佐は”遺体を見ない方が良い”と言う。大佐の助言に反してラリーの遺体を見たドクは、すっかり気落ちしてしまう。その頃、サルとリチャードはラリーの親友(チャーリー・ワシントン)と話していて、ラリーの死に関する衝撃の真実を聞かされることとなる。byウィキ

っとそんなお話なんだが途中からこよなく愛するケビン・ベーコンの秀作、”Taking Chance”みたいな展開になって来る。飛行機、列車を使い棺を故郷へ運ぶ道中記は胸がいっぱいになる。日本では絶対に目にする事はない戦禍で命を落とした兵士たちに対する国民の"リスペクト”(尊敬)が道中色々な場面で目撃され周囲にいる住民からもそれが伝わって来る、、そんな道中の場面から目が離せなくなる。

これは確かに”30年後の同窓会”ではあるが本質は”最後にアメリカ国旗が死者を弔ってはためいている”映画なのだ。ワン、ニャン等の動物に続いて戦死した若者を扱う映画はズシリと胸に来るのだ。