”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

球場にかけるオータニ VS ヤンキース

これは1957年、デイビット・リーン監督の名作、”戦場にかける橋”のラストシーンからニコルソン大佐(アレック・ギネス)が軍の命令に背き橋を爆破するのを躊躇する場面だ。戦争捕虜として過酷な労働に駆り立てられ憎きサイトー大佐(早川雪洲)に対峙しやっとこさ完成させた橋を爆破するだなんて、、と言う背景でニコルソン大佐のセリフが”what have I done”と茫然自失になる名場面だ。

 

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昨日今日の二日間はまったくそれと同じセリフをオレは呟いている、、更にそれは明日と明後日へと続くのだ、こりゃもう拷問に近いものがあるぞ、。その呟きに至る過程とは、メージャーリーグ中継である。大谷の所属するエンジェルスがニューヨークの敵地でヤンキースと対戦しているのだ。

その大谷クン、昨日はホームランを一発、そして今日は何と二発も打っている。まあ試合の方はヤンキースが圧勝しているが昨日の試合ではエンジェルスの勝利に貢献しニューヨークの観客にもその素晴らしい選手能力を充分に魅せつけてくれた。試合はヤンキースを応援したいが個人的には大谷を応援したいし、、気が付くと彼のホームランに手を叩いている。そこでさて自分はどっちを応援しているんだ、、what have I done、となるのだ。字幕版は見ていないが恐らくこれは、”ナンて事をやってるんだ”とでも訳せるが今日の二本目のホームランは全くその通りだった。

これで明日は投手として先発する、、って事は今日のヤンキースは打ち過ぎて明日には打線も湿っぽくなる、即ち大谷クン有利に作用するか?明日も同じようにホームランでエンジェルス勝利に貢献するのか?益々困ってしまう。

ぶっちゃけ今シーズンは両方とも現在4位に低迷していて余程の事がないとヤンキースは地区優勝どころかプレイオフ進出もままならない、。そんな状況なので此処は開き直って大谷クンだけを応援するか?それにしても今回はニューヨークの野球ファンにも強烈な印象を残している。それも敵のスラッガーにブーイングするって事はなく純粋に彼が打つ場面を両方のファンが期待するような一風変わった雰囲気が球場を包んでいる。

今日のヤンキース専従の放送局”YES”、ご用達のアナウンサー、解説者も大谷が打席に立つと言葉が少なくなりじっと見ているし最大限の賞賛を送っている。終盤もう点差が開いた場面で図らずもアナウンサーが”ヤンキース10点、オータニが5点”とチーム名を忘れたのかヤンキース対大谷と表現していたのは辛口評価で知られるNYでは最大の賛辞じゃなかろうか?

これで明日の登板が俄然楽しみだ。勝利投手にでもなろうものなら来週にでもヤンキースが大枚を積んでトレードを申し込んで来るぞ。中継中でも何度なく”逃したタイはデカいぞ”と言ってたがこの点に関しては大谷クンの決断、即ち西海岸のエンジェルスに入ったのは正解だと思う。東海岸の球団だったら恐らく二刀流はさせて貰えなかったしこんな大活躍は出来なかった気がする。