”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”ジーニアス:アレサ”(20年)

この邦題を読んで直ぐにこりゃ”天才はアレさ、、”と思わないだろうか?瞬時に原題の”Genius Aretha"と気付く人は絶対にシニア世代だ。そのアレサにせよ色々いるしこれがかのソウルの女王”アレサ・フランクリン”の伝記映画だとは判るまい。

第一不思議な事に併給元が”National Geograpic”なのだ、、これって普段はワイルド・キングダムとか自然界の素晴らしさを伝える番組じゃなかったのか?

ともあれ合計8話(各一時間)の長丁場を3日かけて見終わった。ご本人は1942年に生まれて2018年に亡くなっているのだがその最盛期は100%オイラの青春時代とカブっている。”ダイアナ・ロスシュープリームス”の時代にも合致しているがアレサ・フランクリンは子供の頃から伝導牧師の父親に連れられ各地でゴスペルを歌っていて悲惨な幼少期を送っていたって事までは知っていたのだが、、。

兎に角そのパパが強烈だ、。教会の檀上に立ち説教を始めると実に見事に聴衆を味方に付けてしまう。これはヒットラーもそうだが自身の言葉に陶酔してしまいそれを聞いている会場いっぱいの群衆も聞くことに酔いしれる、そんな雰囲気を作るのが実に巧い。我が国の総理殿も少しは見習ったら良いのに、、と思わず呟いてしまった。

映画はそのアレサの幼少期、12歳くらいからを追う形で構成されているのだがキング牧師ともかなり親密だった父親はとても信仰を語る立場にない性悪ものだ。行く先々で浮名を流し奥さんがアレサを妊娠している時にも若い女性のお腹が同じように大きくなって行く。それに父親の監督不行き届きなのか僅か14歳のアレサも何処の誰とも判らない男に妊娠させられているのだ。

 

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実際に子供が子供を産んでしまったのだがそれが一回じゃ終わらない、、翌年だったかには再度妊娠が発覚、映画の中ではこのフランクリン家族を紹介してくれる訳じゃないのだがどうやらアレサにはおばあちゃん、兄、姉そしてパパの新しい彼女との間の子供やらもの凄い数の”大家族”がいるのだろう。

ドラマ上はこのアレサが幼少の頃、1950年代初めから60、70年代にかけてと行ったり来たりする。着ている洋服やステージの具合、それと挿入歌になっている数々のヒット曲から判断するっきゃないのだ。

主役のアレサだってパパに劣らず男性関係は派手だ、ずっと無名の頃から支えてくれていたテッドとの別離、そしてすぐに再婚と変わり身は素晴らしい。もう其処には自分の子供たちを育てるなんてごく普通の女性としての思考はないようだ。

劇中アレサを演じたのはシンシア・エリヴォ、、数々の賞を授かっているイギリス生まれの女優兼歌手、アレサのヒット曲を劇中歌うのだがこれが実に上手い。ひょっとしてホンモノを越えているじゃなかろうか?と思わせる場面が多々あった。

 

 


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Youtubeを検索してたらMGMが配給した”RESPECT"と言う伝記映画にぶつかった。これの方が端的にアレサの大ヒット作品の内幕に迫っているような気がするなぁ~、、。

8時間分を一気に見終わったのだがこの時代、歌手がアレだけタバコを吸い続け浴びるように飲酒して喉を酷使するし最後まで現役だった、、これは凄い事ではなかろうか?