”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”ブレイブワン”(07年)

ニューヨークを舞台にした犯罪モノで復讐劇になっているのだがどうもコイツはそっくりそのまま主役の男女を入れ替えただけのリメイク、と言うかコピー版みたいだった。

主演はジョディ・フォスターで監督が冗談かと思ったがニール・ジョーダン、、他の配役は刑事役のテレンス・ハワードくらいっきゃ知らなかった、。

映画の冒頭は夜半、セントラルパークを恋人のデイビットとワン子と散歩していると3人の暴漢に襲われデイビットは撲殺、エリカ(J・フォスター)は殴る蹴るの挙句強姦され瀕死の重症を負ってしまう。

 

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そしてその事件から数週間、マーサー刑事(T・ハワード)には何度となく事情聴衆を受けているが犯人逮捕には至ってないし容疑者さえ特定されてないのだ。エリカは街歩きに恐怖に感じ遂には拳銃を買いにガンショップへ、、ところが身元証明だの申請書の提出だのと言われ直ぐに入手が出来ないと判る。そんなエリカについて来た怪しげなヤツが1000ドルで出せば拳銃を売ってやると申し出て来る。

っと此処までそっくりな映画が1974年に制作されシリーズ化され、それが今度は又、リメイクもされているのだ。主演のポール・カージーを演じたのはチャールズ・ブロンソンでタイトルは”狼よさらば”だった。原題は”Death Wish”なのに”友よさらば”をモジって付けた配給元はその後シリーズ化されて困っちまった。続編は”Death Wish II”だったのにその時の邦題は”ロサンゼルス”に、、そしてその次は”スーパー・マグナム”とかでもう訳が判らない有様だった。まあ夫々に配給権が違うから、、と言えばその通りだが関連性のない邦題じゃ折角シリーズ化された意味がなかろうに、、。

そのシリーズに乗っかるべく作られたのが2018年、ブルース・ウィリスを主演のポール・カージーに据えた”デス・ウィッシュ”だ。やっと40年以上も経過して原題と邦題が同じになったと言う誠に摩訶不思議な邦題制作委員会である。

 

 

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ジョディ・フォスター版に戻るがそんな拳銃を手にしたエリカは毎夜、ニューヨーク市内を徘徊して自分を襲った3人組を探し始める。行きがけの駄賃じゃないが途中、襲われかけている女性を助けたり地下鉄でバカどもに襲われている乗客を助けたりと大活躍、新聞には”正義の味方救世主あらわる”と話題にもなる始末だ。

そんな彼女に同情しつつそれとなく協力してくれるマーサー刑事のお陰で悪人達がたむろしている場所が特定される。そこには思いがけず襲撃された時に散歩に同行していたワン子が吠える声が、、、。

 

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これがオリジナルのチャールス・ブロンソン版、設計家で留守の間に愛妻が殺され、一人娘が重傷を受け植物状態へ、、そりゃ憎き悪党を探し出して復讐したくなるわ。彼の場合はちゃんと拳銃を入手し撃ち方も習い刑事さんとも信頼関係を築いて行く。

確かにこの種の映画は”ヴァンテッタ”(復讐物としてジャンルがあるようだが)個人が拳銃を持ち復讐に走る図式はジュディ・フォスターには似合わないような気がする。彼女の知的な風貌や過去の作品からいってここは頭脳派に徹し敵同士を策略で落とし込み自分で拳銃をぶっ放すんじゃなくて敵同士が殺し合う、、そんな映画にはならなかったんだろうか?