”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”恐怖の報酬”(77年)

1977年度版は主役にロイ・シャイダーそして監督にウィリアム・フリードキン(”フレンチ・コネクション”の名匠)を配して制作されたサスペンスフルな映画だが残念ながら1953年に制作されたフランス版のオリジナル越えはならなかった、、。

 

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この英語版についた原題は”Sorcerer"と言うのだが意味は”魔術師”とか”魔法使い”って意味だ。オリジナルの”恐怖の報酬”とはかなり違うのだが、、あれだけ有名だったフランス語の原題を勝手に解釈して良いのだろうか?

舞台になるのは南米の某国、町から遠く離れた森林地帯の石油採掘所で石油に引火した大火災が起こる。それを鎮火するには更には大きな爆発を誘導し鎮火させるしか方法はないと判断されニトログリセリンをおんぼろトラック二台に分乗し現地まで運搬して行くっきゃないと言う筋書きだ。

その報酬として一人20万ドルを約束された一癖も二癖もある4人の男達、その一人がロイ・シャイダーって事になる。ウィリアム・フリードキン監督は”フレンチ・コネクション”でロイ・シェイダーをジーン・ハックマンの相棒として撮っているが此処では主役に抜擢されている。

このロイ・シャイダーは一般的には”ジョーズ”に出て来る海辺の保養地の警察署長さん役が一番印象深いかも知れないが”オール・ザット・ジャズ”でも有名だ。監督のボブ・フォッシーがどうしても彼をと抜擢したらしくオスカーでも主演男優賞にノミネートされる勢いだった。

1993年から放映されていた”シークエスト”(”SeaQuest DSV)と言う原子力潜水艦を舞台にしたアクション冒険ものではプリッシャー艦長役を務めていたのが懐かしい。個人的には映画、”マラソン・マン”(76年)でダスティン・ホフマンの兄貴に扮した秘密情報部員役がお気に入りの役柄だったんだが、。

このリメイク版での彼は53年版ではイブ・モンタンの役柄だがでもどうしてもイブ・モンタンの風貌がダブってしまう。おんぼろトラックで森林を進み朽ちかけた吊り橋を行く場面等はそっくりそのまま継承しているのだがやはり最初に見たオリジナル版がシーン毎に脳裏を掠めてしまい集中出来ないのだ、。

 

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これはもうカラー映像よりモノクロの方が断然緊迫感があって余計に恐怖が募るような気がするのだ。結果的にはそれなりに緊迫感もあったのだがどうも”慰めの報酬”って印象で007にも及ばなかった、。