”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”マラヴィータ”(13年)

コイツもどうにも理解不能な邦題だなぁ~、、まあ原題がそのまま”Malavita”なので文句のつけようがない、。でも原作が翻訳された時は”隣のマフィア”、だったのでブラックコメディとしてはこっちの邦題でも良いと思うのだが、。それに”マラヴィータ”は最後に判るのだが一家が飼っていたワンコの名前だしそんなに大活躍する訳じゃない。

配役はロバート・デ・ニーロトミー・リー・ジョーンズミシェル・ファイファーと来て監督がルック・ベンソン、更には制作総指揮者としてマーティン・スコーセッシがタイトルロールに出て来る。

背景はフランスはノルマンディーの片田舎、其処へブレイク一家が越して来る。主人のフレッド(デニーロ)と奥さん(M・ファイファー)と男女二人のティーンエージャーで四人家族、プラス愛犬だ。

 

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そのブレイク一家ってのがFBIの証人保護観察下に置かれたフレッドで彼はNYの生っ粋のマフィアのボスだった。それがある犯罪で大親分を告発してしまい名前や身分を変えあちこちへ引っ越す生活を送っているって事が判る。

FBIの担当官がロバート(T・L・ジョーンズ)とその部下が二人、何時も近所に張り付いているのだがこの一家、毎度引っ越す先で問題を起こす事から隠れ家を何度も繰り返し越すハメになっている。

そんな設定で映画の冒頭から半ばではその引っ越しを余儀なくされる理由が語られる。即ち、フレッドはちょっと気に入らないとどんな相手でも容赦しない、、映画”アンタッチャブル”でのアル・カポネ役そっくりに木製のバットで相手をぶん殴る始末だ、、奥さんのマギーはご近所からアメリカン、、っとバカにされ挙句、気に入らないスーパーの対応にキレて店頭にある材料を発火させ爆発騒ぎを起こす始末だ。

そして息子や娘もそれなりにマフィア一家らしく悪行が直らない、、この辺りはユーモアたっぷりで笑えるのだが妙に半殺しや殺されてしまう町民が多い、。終盤になってNYで刑務所に入っている大親分がブレイク一家に差し向けた殺し屋7人組との対決がヤマ場になるのだがこの展開はもうタランティーノ監督か?と疑う雰囲気だった。

それでもルック・ベンソン監督らしく17歳の娘のベルには”ニキータ”並みの活躍をさせているしフレッドが町の公民館で司会者と討論会を開くことになるのだがその際に上映される映画がスコセッシ監督の”グッド・フェローズ”だったりで遊び心満載だ。

この終盤、クライマックスのブレイク一家VS7人の殺し屋対決はもう”ホームアローン”でマッコーレー・カルキンが演じたケヴィンが戦っているみたいな雰囲気だった。コメディ仕立てで笑える場面が多い割に全然関係ない住人がどんどん殺されて行くって箇所がブラックコメディって事になるんだろうか?

まあそんな大立ち回りを演じた一家は又もやロバートに先導されて深夜、クルマに乗って違う街へと去って行くのでありました。終わってみるとさてどんなジャンルになるのか判らないのだがこりゃお笑いの要素を無くして本格ギャング逃亡劇としてリメイクしても面白いかも知れないなぁ~、。