”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”湯を沸かすほどの熱い愛”(16年)

遅ればせながら久し振りに秀作邦画を、、好きな宮沢りえ主演だしこの映画ブログ界では皆さん賞賛されている、それに440円で配信中と広告されていたので早速リモコンで承諾ボタンをポチンと。

先の主演作”紙の月”は途中で挫折してしまったのでちょっと心配だったが此方はちゃんと完走した。でも予想に反して最後まで泣けなかった、、、さてこれはどうしてなんだか?クリント・イーストウッドが”グラントリノ”で隣家へ愛犬を預けに行く場面だけで大泣きしたクセに好きなりえちゃんの主演作、しかもあの結末だと言うのに。

 

 

映画は衝撃的な展開を見せ最後はカルテを取り違えていた等と言う展開にはならない。残された数か月を必死で”生きたい、生きたい”と念じる病室での彼女の演技には内容以上に衝撃を受けたしありゃスタンディング・オベーションものだった。

全編を通して強い母親を演じて日本のアカデミー賞では演技賞、作品賞など6部門制覇を成し遂げているのでやはり素晴らしい映画なんだろう。しかしボクにはこれは技術的な事かも知れないがかなりボリュームを上げているにも関わらず劇中セリフが聞き取れないケースが多かった。

それに失踪してた夫が呼び戻されてからの夫婦の会話が無いのがどうにも解せなかった。病室に来る事もないしオダギリジョーとのやり取りが少ないのは演出上の事なんだろうか?それに実母との逸話、アレっ切りだったのか?確かに強い母親が周囲の人たちを立ち直らせる事がメインテーマなんだから一度心を入れ替えて銭湯へ戻って来た夫はパチンコ三昧でもOKなんだろうが、、。

かくして宮沢りえは予想以上だし素晴らしい映画だった。最後にエントツから赤い煙が上がる、、アレはまさに黒澤監督の”天国と地獄”へのオマージュだったんだろうか?それともスピルバーグ監督の”シンドラーのリスト”だったのか?まあ双方、モノクロ画面にカラーで再生されたのだが、、。