”ロック”ってのはショーン・コネリー主演で制作されている。この”ホット・ロック”は石は石でもダイヤの原石って事でアフリカからやって来た重要文化財的なロックだ。それを強奪する犯罪ストーリーなんであるが、、72年代の映画とあってまだ携帯電話もないし、CGだって原石の警備だって単純だし、クルマもそれ程走ってない、、とまるで吉幾三の世界でのアクション映画だった。
主演はロバート・レッドフォードとジョージ・シーガル、監督がピーター・イェーツで音楽の担当がクインシー・ジョーンズ、そうなったら見逃す手はないぞ。
冒頭はドートマンダー(R・レッドフォード)がお努めを終えて刑務所から出て来る。それを待っているのがケルプ(G・シーガル)で義理の兄になる(奥さんがドートマンダーの姉)だ。
そして二人は息つく暇もなく早速次の仕事に取り掛かろうとする。それはアフリカ某国の大使殿に頼まれた原石の奪還作戦でブルックリンの博物館に展示されているのだ。強奪が成功した折には報酬として10万ドルを払うとの約束でこりゃ仲間4人で割れば一人あたり25000ドル、、この辺りは当時の貨幣価値から行ってもチョイと少ない気もしないでもない、。
でも準備金と言うか経費が毎週200ドル払われる事で喜ぶのでそんな金銭感覚だったのか?72年当時そう言えばオレだって給料が3万円くらいだったし、。
そして画面は二人の仲間を呼び込むだけで周到な準備風景は割愛していきなり強奪の当日へ、。これはなかなか意表をつく作戦だった、仲間の一人が車を運転して博物館の出入り口で派手な事故を起こす。車は爆破して炎上、博物館の中から警備員たちが走り出て来てやれ救急車だ消火器だとやっている最中に裏門からドートマンダーとケルプが警備員の制服姿で侵入する。
ケルプはどんな鍵でも開けてしまう金庫破りの専門家だった。難なく原石が展示されている部屋に侵入、当時は監視カメラもないし赤外線で守られている訳でもなさそうでデカいガラス台の中に鎮座しているだけでこの盗み場面は緊張感もないし何となくお笑いの場面みたいであれよあれよ、と終わってしまう。
ところが表玄関から合流した仲間の一人が逃げ遅れて捕まってしまう、、そしてあろう事か持っていた原石を隠す手段がなくて飲み込んでしまうのだ、。それからがこの映画の本領発揮だ、、刑務所へ収監されてしまったその仲間を脱獄させる為に今度は周到な準備をたてダイヤの強奪から刑務所破りになってしまう。
それもそうは簡単に行かないのがこの映画の良さかも知れないが結局、ああなってこうなってでその仲間の父親まで登場して来る。それが今度は名うての弁護士どのでこの事件に一枚噛んで来るのだ。
更には先のアフリカ某国の大使は早くダイヤを持ってこいと急き立てるし終盤は銀行の貸金庫を舞台に銀行強奪事件に発展、最後までどっちへ転ぶか予測不能の”ホットなロック”作戦となりました、。
ロバート・レッドフォードが俄然若くて魅力満載、一番人気のあった頃かも知れない。何故か共演陣に女優さんが出て来ないのでレッドフォードの一人勝ちって印象だった。