この映画は”変則スパイ”ものだが公開された翌年には見事に監督、作品&主演女優部門でラジー賞(年間最低賞)を獲得してしまった。それ程に酷評されたのだが個人的には結構好きな作品だ。
主演はマイケル・ダグラスとメラニー・グリフィス、それにリーアム・ニーソンがドイツ軍部の上級将校役に配役されている。背景は1940年代まさに第二次大戦が勃発しそうな時期でアメリカとヨーロッパ大陸を行ったり来たりする展開に、、。
映画の冒頭はアメリカの放送局だかのインタビュールームで老婦人が語る場面、傍にはご主人らしい老紳士が席に着いている。その老婦人はリンダ(M・グリフィス)と言い(老婦人のメイクだがあの独特の舌ったらずの喋り方で誰か直ぐに判る)どうやらインタビュワーに答えて戦中の体験談が始まるらしい、。
若いリンダは父親がユダヤ人でドイツ語が堪能だった事から弁護士事務所へ勤務する事になり新進の弁護士事務所、リーランド(M・ダグラス)に仕えている。しかしそのリーランドの裏の顔はCIAの前身、米軍戦略事務局の対ヨーロッパ情報網を統括運営する責任者だったのだ。
そして戦争へ向かってアメリカ、ドイツが対立を深めていく中でドイツに潜入していた優秀なスパイが殺害されてしまう。リーランドは後任選びにあちこちと遁走するが適任者がいない、、そんな時にドイツ語が堪能なリンダの事を思いつく。
既に二人は愛し合っていたのだがリンダはドイツに居る叔母夫婦を助けたいとの申し出と彼女の熱意にうたれてリーランドは全くの素人であるリンダをドイツ軍の司令部に所属する上級将校の元へスパイ兼家政婦として潜入させる決定をするのでした、、。
っとまあこんな展開になりデートリッヒ(L・ニーソン)のお屋敷に潜入するリンダだがすっかりデートリッヒにも気に入られスパイどころか身動き出来ない有様に、、まあこの辺りの展開が”ラジー賞”受賞のきっかけかも知れないのだが、。
まあ肝心なスパイとしての情報はドイツ軍部は何を仕掛けようとしているのか人選はどうなのか、、そんな具体的な情報をアメリカ側へ流す事で普段は現場には出て来ないリーランドは直々にお出ましになり指示を伝達し生の情報を得て行く。
そして”嵐の中で最後は輝く”のであります。まあ戦後こうやって二人とも揃って老後をエンジョイしているので戦中、活躍中に殺されてしまった訳じゃない事は判っているので安心して最後まで見てられた、、。
確かにアメリカには都合の良い展開だしツッコミ所だって満載だが死んだ奴が生き返ったり足を撃たれても平気で走って来るケースが多い展開の中で此処は文句は言うまい、。