”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”ヴォイス・オブ・ラブ” (20年)

この邦題じゃオレには”歌番組か?”、程度の認識しかなくて歌手の伝記映画とまでは思いつかなかった。原題は”Aline”としか表記されてないので”A-ライン”は何処ぞの航空会社って雰囲気だ。

まあ最初の10分も見ればどんな映画か判るだろうと再生ボタンをポチン、、すると背景はカナダでもフランス語を主に話す地区でのお話だった。若い夫婦に毎年のように子供が生まれて行く、そして14人目が生まれたと聞いてありゃこりゃひょっとしてあの歌手の伝記かな、と思い当たった。そして主演のまだ13歳になるかどうかの歌手の名前が”Aline”(エーラインじゃなくてアリーヌ、そりゃあり得ぬ)、、だ。確かにフランス語圏ならアリエールかも知れない。

 

 

そしてやっぱり想像した通りその少女はセリーヌ・ディオンだった。まあそうなると話は早い、若くして親子以上に年の離れた音楽プロデューサーと結婚し、長男そして双子の娘達に恵まれるって事はボクでも知っているぞ。おまけに大ヒットを連発している絶頂期に喉をやられて向こう3ヶ月は声も出せなかったんだ。そしてラスベガスでは連日満員御礼で会場を満席にして世界一の歌姫として君臨している。

しかし一時間半だかの間に12歳くらいからつい最近までの活躍を凝縮しているので彼女の其処までの人生を早送りで見ているようなどうにも落ち着かない気分にさせられてしまった。何と言ってもクライマックスに至るヒット曲は”マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン”で映画”タイタニック”の主題歌だったと思うのだが劇中のセリフでは最初にデモテープを渡され、”ワタシに合わない”と切り捨てるだけ、。そして結果は、オスカーを受賞したと簡単に片づけられてしまい歌唱場面も数小節だけで終わってしまった。

この辺りが歌手の伝記映画は難しい、、じっくり聞かせて欲しいがそうなるとミュージカルだし演じているのがご本人じゃなくてヴァレリー・ルメルシェと言う人で歌唱場面は又、別の人が代役しているらしい。確かに容姿も声もご本人に似てなくもないのだがどの曲もさわりだけで欲求不満気味だった。

どれかヒット曲を限定してそれが誕生するまでのご主人と二人の努力する様子が描写されていても良かったんじゃなかろうか?余りに広範囲に活躍する場を追いかけてしまったので最初に彼女を見出してくれプロモーター兼プロデューサー、後には最愛の夫とし奔走するギイ=クロード(シルヴァン・マルセル)と二人三脚で苦労する様子が中途半端にスルーされてしまったのは残念だった。