”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”武器よさらば”(57年)

これぞ”オールド・シネマ・パラダイス”向きの古き映画だ。但し、スタインベックの原作は見事だったが映画となると、、幾ら古いのが好きでもチョイと首を傾げてしまう。原題の”A Farewell To Arms”は実はゲイリー・クーパーとヘレン・ヘイズ主演で1932年に”戦場よさらば”の邦題で映画化されている。

なのでこっちのロック・ハドソンジェニファー・ジョーンズ版はリメイクって事になるのだがやっぱりゲイリー・クーパー版の方が断然出来は良かった。恐らく”敗因”はメインの二人を演じた配役ミスじゃなかろうか?

 

ロック・ハドソンが演じる青年中尉、フレデリックが余りにも唐突で一目で美女と恋に落ちる図式がどうにも理解し難い、、それにお相手のジェニファー・ジョーンズは此処でもキャサリンと言う従軍看護婦なんだがこの映画の二年前に女医さんのハン・スーインを演じた姿がダブってしまいどうにも落ち着かないのだ。それに被さるように繰り返し背景として掛かるテーマ曲”慕情”にはどうやっても勝てまい。

 

監督はチャールス・ヴィダーとジョン・ヒューストンと来ればもっと奥が深い作品を期待したが原作は超えられなかった。そもそも映画での設定がアメリカ人中尉とイギリス人看護婦、、その背景が第一次世界大戦時期の1918年でイタリア戦線へ志願してやって来たと言うのだが役目は後方支援とも言える怪我人の輸送活動である。

 

その辺りの状況説明がないので後半になってイタリア軍からの脱走者として追いかけられるくだりが良く理解出来なかった。イギリスから派遣されて来たと言うキャサリンにしても従軍とは言っても他には同胞の看護婦さんはいない、、まあそんなもんかなと思っているうちに2時間半が経過していた。

ずっと昔に見ただけなのでたまに思い出すシーンはあったがほぼ忘れていた。愛する二人は添い遂げる事はなかったと結末だけは判っていた積もりだが予想とは違うエンディングなのには驚いた。