”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”36時間”、、映画のタイトル

数字を題名に使った映画ってのは結構多い。まあ邦題にするにもああだこうだ考えなくても良いし、、。ジャックバウワーが活躍するのは”24”、長いのでは”127、、”もあるしリーアム・ニーソンが犯人を追っかける猶予は”96時間”、、。
 
この映画の原題は”36 Hours”である。もう半世紀近くも前の映画だがプロットは凄く良い。連合軍のヨーロッパ進攻、ノルマンディ上陸作戦を背景にした映画は沢山あるがこれはちょっと見方が違う。アメリカ人情報将校が”ノルマンディ上陸”の極秘情報を持ってリスボンへ飛ぶ、ところがドイツ軍もやるもんだ、、その将校を監視していて今度は拉致、連合軍は一体何処へ上陸するのかを聞きだそうとする。
 
それも拷問と言う手段ではなく、何と事故に見せかけ本人が気が付いた時はもう6年の歳月が流れていて戦争は終わっていると言う手の込んだ手段だ。そこで本人から積極的に話を聞くと言う訳なのだが、、彼にはこの6年、意識が飛んでいて記憶を失くしていると信じさせる。ドイツ占領下の田舎町に陸軍病院を作りあげ周りは全部英語を話すドイツ軍、新聞やラジオのニュースも英語、でご本人の髪を白髪に染め、目には点眼液で老眼を施し足腰は注射で多少弱くする、、それらすべてが作用する期限が”36時間”と言う訳である。
 
イメージ 1主演の情報将校がこの人でジェームス・ガーナー、このスチールはTVシリーズ”ロックフォード・ファイル”だが”大脱走”では飛行機を飛ばして越境しようとしたし数多くの映画に出演、60年代を代表する好男子で好感度ナンバーワンと言われていた俳優さんだ。今はロジャー・ムーアそっくりになっちまったが、、28年生まれなのでこの60年代がイチバン輝いていた。そしてお相手の看護婦さんがこのエヴァ・マリー・セイント、、ナチの捕虜収容所から特別に今回このジェームス君を欺く為に連れられて来たという設定。
 
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やはりこの人も当時引っ張りだこで特にアルフレッド・ヒッチコック監督のお気に入りである。
 
”北北西に進路をとれ”ではケーリー・グランドと共演、”栄光への脱出”ではポール・ニューマンと、、検索したら59年から70年代にかけての映画を全部見ていた、、この人は24年生まれなのでやはり60年代が一番出演作品が多かった訳だ、、。
 
イメージ 3ロッド・テイラー、、オーストラリア出身の俳優さんだがこの映画ではナチの将校役、このお医者さんが相手に記憶を失くしたと思わせ全部喋らせると言う大掛かりな舞台装置を提案した人である。
 
映画はエヴァが普通の何気ない会話から聞き出した”ノルマンディ”と言う言葉、それを信じるこの軍医さんとそれを信じたくないナチの情報将校、双方の対立に発展、主人公のジェフは拉致される前夜、ふとした事でノルマンディの地図をめくっていて指に紙で切り傷を、、テーブルにこぼれた塩ツブを拾っていて思わず”イテー”と顔をしかめる、、”ウン、待てよ指の傷が6年も治っていない、、”でドイツ軍の陰謀に気が付く。でももう”ノルマンディ”と言っちゃったし、、。それからが虚々実々の展開、ナチ野郎と軍医さんの意見が合わないと見ては”ありゃ冗談”と惚けたりで敵の心理をごちゃごちゃにする、、、。
 
最後はエヴァを伴ってスイスへ逃亡、この軍医さんから預かった貴重な医学資料、、彼の最後の言葉”何時かこの資料が役に立つ事を願う、、”を心に越境に成功するのでした、、此処はやはり彼女もアメリカに連れて帰るところだが残念ながら彼女は他の収容所へ。”アメリカへ帰る前には必ず会いに行くから、、”で乗った車は別々の方向へ離れて行く、、The End。
 
リアルタイムで見てからも2回ほど見ているのだがモノクロ画面でも全く違和感なしに最後まで楽しめた、、”アンタ、同じ映画を結末が判っているのに、、何回見たら気が済むの、、?”、”3回くらい見ると結末が変わって来るんだよ、、”、、”バカっ!!”犬も食わない夫婦の会話、お粗末でした。