”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

本物のエリオット・ネスは?

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これはTVシリーズ”アンタッチャブル”でエリオット・ネスを演じたロバート・スタックだ。59年から63年までの4年間に119本の本編で主役を演じているので我々の世代には一番馴染みがあるかも知れない。
 
何せ役柄が一人歩きしてしまいその後何を演じてもエリオット・ネスのイメージからは抜ける事が出来なかった。TVを中心に01年までは現役で活躍していたのだが03年に84歳で亡くなってしまった。このシリーズはモノクロだったのだが彼の独特な声はその後にやはり犯罪捜査もの”未解決事件簿”のナレーション役に抜擢され何となくエリオットが解説しているような現実味のある気分にさせられた、、それがアチラでも目当てだったらしいが、。
 
そして昨晩見たエリオットを演じたのは;
 
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ケヴィン・コスナーだ。エリオット・ネスを演じた映画”アンタッチャブル”は87年ともう25年も前になるがこの映画はやはり名作に限りなく近い秀作だろう。
 
無論ショーン・コネリー(初のオスカー助演男優を受賞)やアンディ・ガルシアも忘れられないがアル・カポネを演じたロバート・デ・ニーロが凄まじいくらいの演技力と雰囲気でこりゃ多分本物のカポネより本物に近いのではないだろうか、、。
 
監督はブライアン・デ・パルマ、これも言う事なしだし音楽のエンニオ・モリコーネと共に忘れられない一作だ。
 
改めて昨晩気が付いたのだが冒頭の酒場での爆破シーン、スローで撮った有名な駅の階段シーンを初めショーン・コネリーが橋の上で初めてエリオットと会う場面から二人の殺し屋に襲われるシーン、ストーン(アンディ・ガルシア)を拳銃射撃場でリクルートする場面、カポネが会食中に切れるシーンや、カポネの手先の殺し屋、フランクを演じたビリー・ドラゴ(冷酷な殺し屋を演じたら天下逸品、この人を肩を並べられる人は少ない)を追い詰めるシーンと要所要所、これでもかと独創的なシーンが続く。もうかなりの場面がアクション映画のお手本となっているのも頷ける。
 
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最後にご登場願うのは本物のエリオット・ネスである。生まれは1903年、シカゴ生まれのシカゴ育ちでノルウェイからの移民の家庭に生まれたそうな。FBIに在籍していた義兄の影響で財務省酒類取締り局の担当官に就任、それから全職員から汚職にまみれていない職員を厳選し独特の捜査チームを作りあげた。
 
カポネ逮捕で一躍有名になるもついぞFBIから迎えられる事はなかったそうな、、これは初代長官フーバーとの確執があったそうでその後はオハイオクリーブランド酒類取締官を歴任し44年には民間の警備保障会社へ転出、57年に心臓発作で亡くなった。
 
と言う事は初期のTVシリーズが制作された時は現役じゃないにしろ存命だったんだ、そりゃ監修、指導も本物のネス氏からご教授頂いたんだろうな、、。
 
しかしあれだけカポネ逮捕やその後の禁酒時代(ナンでお酒はダメだったんだろう??)では脚光を浴びたが晩年は恵まれずだったようなのが残念、だがこれが現実か、、やはり映画のなかだけで記憶して置こう、、。