”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

サンフランシスコの凄腕刑事、

この街には一匹狼的な凄腕刑事がとても良く似合う。その筆頭は”ダーティ・ハリー”のクリント・イーストウッドだしこの”ブリット”刑事のスティーブ・マックイーンだ。フランク・ブリットの方が少し先輩で映画が制作されたのは1968年、監督はピーター・イェーツ、彼の渾身の秀作である。
 
イメージ 1映画はシカゴから司法取引の証人としてサンフランシスコに移送されて来た組織の会計担当小悪人、ピート・ロスを週末の間、護衛しろと命令されたフランク、命令したのはケタくそ悪い上院議員のチャーマース(ロバート・ヴォーン)で不承不承この任務を引き受けるのだが、、。
 
泊まっていた安宿でその晩、何者かに撃たれて殺されてしまう。フランクの同僚も瀕死の重傷、しかし現場を検証してみるとどうもピート・ロスは誰かが訪ねて来るのを待っていたような痕跡が、第一施錠していたハズのドアが開いている。
 
映画はその殺し屋とフランクがSFの市内、坂道を猛烈なスピードでチェイスする場面、これはもうCGや特撮なしでの現場撮影、迫力満点の追っかけが続く、、追うのはフランクの乗るムスタングGT350、方や殺し屋二人が逃げるのはダッジ・チャージャー、、ターボもない時代V8の大排気量車がタイヤ音を響かせて追いつ追われつ、、。もう町内観光が出来ちまうくらいだ、ノブ・ヒルからパウウェルを挟んでケーブル・カーも巻き込んでの凄いシーンの連続。今じゃこんな撮影は絶対に不可能だろう、、まあその分CG撮影に頼るっきゃないが、。
 
チャーマース上院議員を演じるのはロバート・ヴォーン、”ナポレオン・ソロ”と言う007の向こうを張ったスパイ物シリーズで有名になったがスティーブ・マックイーンとは”荒野の七人”で同僚だった、、。この映画では嫌味な上院議員役がピッタリだ。それにシカゴから派遣されて来た殺し屋を演じた二人組み、これが又、ごく普通の銀行員みたいな風采で不気味、幾らでもその辺にいそうな感じが余計に現実感を煽る、、全くセリフもないのだが強烈な印象を残してくれた。それに主演のマックイーン、何故シリーズ化されなかったのかと不思議なくらいだが(当時はそんな風潮はなかった)こりゃもうスティーブの為のマックイーン映画。誰にも真似の出来ない魅力満載の映画でもある、、、”荒野の七人”、”大脱走”、”華麗なる賭け”、、”砲艦サンパブロ”、”ネバダ・スミス”、、”パピオン”、”ゲッタウェイ”、”タワーリング・インフェルノ”、、、どれも全てかっこいい。1980年僅か50歳で逝ってしまった、、個人的にはブラッド・ピットが一番彼に近いのではないかと思っていたのだが、、アンジョリーナとデレデレしているスチールを見ると、、こりゃダメだ。
 
この時代と言っても”ブリット”の3年後にはニューヨークにポパイ刑事が誕生、”フレンチ・コネクション”で大活躍をするのがジーン・ハックマン、彼の地下鉄を追ってNYを走り回る名シーンはこの映画と並んで刑事物の双璧ではないだろうか。