”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

映画”慕情”の作者逝く、。

原題は”Love Is A ManyーSplendored Thing”(55年)と言う言わずと知れたメロメロドラマである。その”愛とは多くの素晴らしい出来事”に”慕情”と邦題を付けたこの感性、この時代だから出来た事だろうな、、。
 
映画の主人公はベルギーと中国のハーフ、ハン・スーイン女史、彼女自身の伝記を基に制作された。演じたのはジェニファー・ジョーンズ、お相手の特派員はウィリアム・ホールデンだ。舞台は1949年頃の香港だがこれはもう映画よりサミー・フェインが作曲したその主題歌が完全なる一人歩き状態、アチラでも映画史上燦然と輝く名曲との評価である。その原作になった伝記を書いたハン・スーイン女史が一昨日スイスのローザンヌで亡くなった、95歳と高齢だった。彼女が発表した原作のタイトルには”Love”は付かない、、”A Many-Splendored Thing”と言うのだが映画化に際して監督のヘンリー・キングが手を加えたとか、。
 
今、この映画を見るとそりゃもう背中がむず痒くなる程のソープ・オペラ風仕立てだが風光明媚な香港は魅力満点、この頃の香港のほうが良かったと言ったら言い過ぎかな、。実はその主題歌なのだがふと思い出しても最初はザ・フォー・エイセスと言うグループ、それにアンディ・ウィリアムスジョニー・マーシス、ナット・キング・コールフランク・シナトラ、エンゲルベルト・フンパーティンク、マット・モンローニール・セダカコニー・フランシス、、バリー・マニロウ、当時人気のあった歌手がみんな揃ってカバーしていたような、、それ程に人気があったしオスカーも獲り映画ファン、誰もが認める名曲となってしまった。勿論日本国内でも尾崎紀世彦、、などなどが歌っているし映画は見てなくても誰もがこの曲は知っているのではないだろうか、。
 
その色々な歌手が歌ったなかからこの人、マット・モンローが一番のお気に入りです。3分ばかりですが思わず手を止めて聞き入ってしまいました。
 
この人007、”ロシアから愛を込めて”、の主題歌も歌っているのですがイギリス人らしく発音がキレイで実にはっきりとしている。教科書通りの発音、アンディ・ウィリアムスと間違う事もあるのですがこの微かに鼻にかかったような甘い歌声が歌詞にとてもマッチしているように思えるのです、、こんな歌手は最近見かけませんねイヤ、聞きません、、、。
 
確かに映画も当時は爆発的ヒットとか、、、流石にリアル・タイムでは経験してないので、、今でも香港へ行くとあれが撮影現場ですよ、、、と言われるらしい。ハン・スーイン女史の事を書こうとして大分逸れてしまいました。
 
 
 
 
この時代、既にこんな手の込んだ事をやってました。ジェニファーが一人で佇むシーンから、、この主役の二人、そりゃもう仲が悪くてセリフ以外は一切口も聞かなかったそうな、各自の伝記には違う書き方をしてますが実際はウィリアム・ホールデンが名だたる女たらし、それに感化されないようジェニファーが予防線を張っていた、と言うのが真相らしいのですが、、。
 
イメージ 1