助演男優賞を受賞したモーガン・フリーマンのナレーションが全編に流れこれが本編での演技プラス、、彼の魅力ある”声”もその評価を押し上げたと言っても過言ではない。
ストーリーはいたって単純明快、ヒラリー扮するマギーは伝説のトレーナー、フランキー(クkリント・イーストウッド)のジムを訪ね”入門”を志願する。フランキーには25年前に経験したある事柄があり新人ボクサーを教育する事には躊躇するのだが最終的にはマギーの熱意に負けトレーナーを引き受けることに、、、其処から二人は栄光を目指してボクシングリングを転々とする生活に入っていく、。
ボクシングを題材にした”名作”は多い、80年にはスコセッシ監督の”レイジンブ・ブル”でロバート・デ・ニーロが名演技を見せてくれたし一連の”ロッキー”シリーズだってスタローンを人気絶頂に押し上げてくれた。どの映画もファイティング・シーンはつきものだしこれは避けては通れない、、となると俳優さんもトレーニングを重ねそれなりにボクサーらしくならないとダメだ、、そんな状況でもあるのか”演技派”と認められ易い節もあるかな、。
この映画に関してはひっそり隠遁生活を送るフランキーの苦悩を親友でジムの共同経営者でもあるエディ(モーガン・フリーマン)のナレーションで補足されて行く。監督をやりながら主演をする困難さ、、これは想像以上に大変な仕事ではないだろうか。しかもこんな秀作に仕上げるとは、、。映画の終盤はとても辛いものがあり余り何回も見たくなるような展開ではない。苦悩を背負っていたフランキーが又、大きな苦悩を背負うことになるとは、、あるダイナーでレモンパイを注文するフランキーの心情が痛いほど判って胸が締め付けられる。
そしてこれがタイトルの”ベイビーズ”、、そうもう一人のベイビーで現実のお話。昨晩見事にTKOで勝ちを収め、まさに”ミリオン・ダラー”に向かってまっしぐらのスタートを切った高野人母美(ともみ)である。特にボクシングが好きな訳じゃないのだが、今映画のマギーにダブってこの美人ボクサーから目が離せない、、何でもそのキャリアを見ると現役のモデルさんで身長177cmとか、、プロになってこれが3勝目だそうだ。モデルさんが顔を打たれるのは辛かろうし鼻だって出っ張っているんだから何時も相手の射程圏だ、、救いはタッパがあるので相手はかなり上向きに対戦しないと届かない、、下から打ち上げるより打ち下ろすほうが有利なのでこのまま51.7kg以下を守って身長差のある相手だったらひょっとすると近い将来は”ミリオン・ダラー・ベイビー”か??
これはかなり映画の世界が現実の世界に接近したケースだし映画以上に楽しみかも知れないぞ、、。