”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”マーニー”(64年)

イメージ 1監督はアルフレッド・ヒッチコック、、主演はこの二人、ショーン・コネリーとティッピ・ヘドレン。前年”鳥”で鮮烈なデビューを飾ったティッピ、ヒッチ爺に見込まれてこの作品では”精神的”に幼い頃のトラウマから抜け出せないマーニーを演じている。
 
一方のショーン・コネリーは62年に007、”Dr No"で大ブレイク、、63年には”ロシアより愛を込めて”で又、又、的中、次の”ゴールドフィンガー”の公開年とこれは重なってしまった、。そんな状況だったので見た方はどうもこの映画は007のスピンオフ見たいな感覚だった、、お話からして007が休暇中に知り合った女性がマーニーで彼女の悩む姿にすっかり入れ込み、情報部員の辣腕で”彼女を苦しめているトラウマを退治しちまう”、、と言っても言い過ぎではないような、、。ショーン・コネリーは当時余りジェームス・ボンド役者としてのレッテルを貼られるのが嫌で他の作品に出たつもりなんだが生憎と公開年度が重なってしまい007役から抜けられなかったような気がする。
 
ティッピ・ヘドレンはミネソタ生まれだがスカンジナビア系移民、ニューヨークで18歳の頃からモデル業、と全く演技の経験はなかったのだがテレビのコマーシャルに出ているところをヒッチコックに見初められ映画に大抜擢された。この時、既に既婚でメラニー・グリフィスは57年に生まれている。この”マーニー”完成後にヒッチ爺に言い寄られそれを反故にした為、映画界からは孤立、その後は結局銀幕には及びがかからず、テレビドラマやシリーズものの端役ばっかり、、大ファンとしては誠に残念な事になってしまった、、もしヒッチ爺の言いなりになっていたら一体どんな女優生活を送っていたのやら、、。何年か前にオーストラリアを訪問、”講演会”なるものがあったのだが”The Roar Foundation”と言う動物保護の非営利団体を主宰していて忙しいとか、、野生動物の生態を記録すべくアフリカにも何回か出向き撮影中にライオンに襲われ大怪我をした事もあるそうな、、。
 
ヒッチコック監督作品としては公開当時の評価はさほど高くなかった、、長編はこの作品にあと”引き裂かれたカーテン”(66年)、”トパーズ”(69年)、”フレンジー”(72年)、”ファミリー・プロット”(76年)とあるのだが往年言われた”サスペンスの神様”の切れ味は何処へ行ってしまったのか???