”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

日本語の良さ

例えば英語では YOU、もう相手を表現するにはこれっきゃない。ところが日本語だと古くは”貴様”、今じゃ”アンタ”、、それに”キミ”、”君”、”アナタ”、”貴方”、”貴君”、、、、”貴女”漢字を使った表現力の違いとケースバイケースで使える漢字の多さを教えてくれる。逆に自分を指す場合だって ME や I しかない英語とは比較にならない程に幅が広い。だから日本語は難しいと言われるのだが、、。
 
先日オージーのおっちゃんと話していて”何で日本人は自己主張が下手なんだ”と言う話になって思わず”日本人はみんなと協調して行動を取る人種”だからだよ、、、と言ったあとで日本語での表現方法、例えば YOU 一つを取ってもこんなにあるんだと思いついた。それに日本の国土はオーストラリアのように多民族国家じゃないし99%日本人っきゃいないので”オレがオレがと率先して自分の主義主張を通さなくても上手くやって行かれんだよ”、、これは結構説得力があったしそのおっちゃんも”なるほど”と頷いてくれた。
 
昨今は紙に漢字を書くケースは極端に減って来てはいるがこうして YOU と言う単語を見ても我ら日本人は置かれた状況、相手、立場により色々な言葉を使い分けられる。英語じゃそうは行かん、、YOU は YOU、それっきゃない。古典英語には THEE なんて言い方もあったようだがこりゃもうシェークスピアの時代だ。
 
先の おもてなし だって英語じゃ絶対にその真意は通じない。それに よろしく これもその趣旨を訳して上手く言わんと”よろしく頼むよ”なんて言葉は英語になさそうだ。何方も日本人同士でやるからその意味が判り”あうん”の呼吸で互が理解出来る、、従ってあえて強要し押し付けなくても日本人には理解出来る言葉って事になる。その逆で英語にしかない表現方法もあるしどうやっても日本語に翻訳出来ないと言う単語、言い回しもある、特にスラングや悪態に関しては英語の強烈さは日本語の比じゃない、、それこそ場面場面で”馬鹿やろう”こんちくしょう”を使い分けるしかないのではないか、字幕や吹き替えを担当される方は大変だろう。
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その昔、名画”フレンチ・コネクション”の一場面にヤクの売人を追い詰めたポパイ警部が”この野郎、テメエは未だピューキープシーで足をほじっているんか??”と言う場面があった。確か字幕ではそのままカタカナ表示だったと思うのだがこれは実際にあるニューヨーク郊外の小さな町の名前だ。ナンでその町の名前を持ち出して”オマエは未だ、、”になったのかは不明だがこれも説明がないと”なんじゃこれっ”って事になる。固有名詞なら説明一つで理解も出来ようがスラングはそうは行かない、、先日見た映画でも最初っから最後までスラングのオンパレード、、もう最後は聞き苦しい有様だ、これならドンパチの擬音に終始してっくれた方が安心だし、、字幕製作のご苦労が良く判る。
 
PCを手放せない時代だが漢字は一文字でその一年を表現出来るほどに優れモノだ、書けなくても変換が出来るさ、、などと言わずにちゃんと学ばないとその理解力も劣化する。しっかりと本は読み、漢字に接する事はしていても書かないと覚えられない~、、これが辛いところだ。