”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”ウォルト・ディズニーの約束”(13年)

毎週火曜日の半額デイを狙って昨晩も近所のシネコンへ出没、シニア料金だと13ドル、昨晩は半額で13.50ドル、何でやねん??半額なハズなのに何で何時ものシニアより50セント高いんだ?そしたら回答は”上映館がVMax シネマで席や館内の広さにゆとりがあります”だと、、、別に何時もの”小屋”でいいんだがな、。何かこれって同じシネコンでも大型館は料金を高く設定しているって事じゃないか、、腑に落ちない。
 
でもまあいいっか、、で原題は”Saving Mr. Banks"へ、、おー、いるよいるよ、席は後方と言ったら本当に後方、一番後ろじゃないか、しかも殆ど満員だ~、、じいさんばあさんだけじゃなく結構若い人も多いな~、、。やはり半額デイってのは効果満点なんだ。
 
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映画ののっけからオーストラリアの大地、、ええっー、こんな展開かぁ??それもブリスベンから北上した小さな田舎町、メリーボローだ。これはちっとも知らなかったのだが主役、”メリー・ポピンズ”の作者、P.L トラバースはオーストラリア人でこの町で生まれている。
 
恐らく館内でそんな事を知らないのはこのおっさんだけ?道理で館内満員なハズだぜ、。父のトラバース(コリン・ファレル)はその町の銀行家、多分時代は1900年の始めの頃だろう、、幼少のパメラはお父さんが大好きで一家5人で楽しく暮らしている。
 
そんな幼少時代がフラッシュバックされながら物語は進む。そのトラバース夫人を演じるのがエマ・トンプソン、そしてウォルト・ディズニートム・ハンクスが演じている。まあ先のヒッチコックは”サイコ”の撮影現場だったが此方は”メリー・ポピンズ”の撮影現場が舞台である。
 
人には必ず”ミセス・トラバース”と呼ぶ事を強制するおばちゃん、本はとっくに出版済、でもこのところ売上が減少、著作権も入らずカツカツの生活、出版社の担当者には家を売るっきゃないと通告される。この際、映画化の話を進め映画化権を稼がないとやって行けない、、っでデイズニー氏のたっての勧めでロスへ行き映画化の交渉をすることにする、、。
 
そんな展開でアメリカに着いた”ミセス・トラバース”ミュージカルもアニメも絶対にイヤ、、ディック・バン・ダイクも絶対にイヤよ、、、、で嫌々尽くめ、このあたりのやり取りが見所だ。エマ・トンプソンは実に巧い、かなりアップ多用の画面構成だが決して負けてない、、、しかもその意志の強さ、当時(映画は63年に公開されているのでこの設定はその前年くらい)ウォルト・ディズニーはテレビに映画にと飛ぶ鳥を落とす勢い、デイズニーランドも完成しアメリカじゃ彼の顔を知らない人はいなかった頃である。そんな彼を相手に一歩も譲らない、、。
 
そしてこの”メリー・ポピンズ”の秘話が明らかになっていく、、。果たして実物のトラバース夫人はかなりな変わり者だったような、、出生地のメリーボローからニュー・サウス・ウェールズ州に移りその後1924年にイギリスに移住、34年にこの”メリー・ポピンズ”を発表している。第二次大戦中はニューヨークに居住、その時に初めて映画化を持ちかけられたそうだ。96年に96歳で亡くなっているのだが生涯独身を通し40歳の頃に息子を養子にとっている。その息子さんも11年に亡くなっている、、。
 
トム・ハンクスエマ・トンプソン、、この映画はこの二人に尽きる。60年代のロスの背景や街中が見事に再現されていてその頃を知る世代には懐かしさが込み上げる、、ハリウッド版”Always 3丁目”かな??