”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

アカデミー賞、主演女優賞は、、ケイト・ブランシェットへ

これは授賞式の一週間前にYahooの知恵袋に記載された質問;
 
あなたが予想する今年のアカデミー賞女優は?
 
回答:
guch63さん
 
かなりの確率で”ブルー・ジャスミン”のケイト・ブランシェットみたいな気がしてます、、”ゼロ・グラビティ”のサンドラ・ブロックが一番の”対抗馬”、、一騎打ちかな?ついでに助演女優さんは、、”それでも夜が明ける”のルピタ・ニョンゴー、、此方はブッちぎりではないかと、、余計でした??
 
 
で予想通りに主演と助演女優賞が夫々ケイト・ブランシェットルピタ・ニョンゴーに決まって今年の映画界の祭典も終わりました。予想ではサンドラ・ブロック強しと言われ続けていたのだがレース後半に”ブルー・ジャスミン”のケイトが追い込みにはいりそのままゴールへ突っ走ったと言う感じ、、映画の公開当時はサンドラはダントツで候補だったのに何時の間にか抜き去られていたと言う印象ではなかっただろうか。
 
ゼロ・グラビティ”は監督賞を始め撮影、音楽、、など7部門を制覇したのだが、、作品賞は”それでも夜は明ける”に持って行かれ予想通りの展開に、、男優陣はマシュー・マッコナヘーが主演、ジャレッド・レトが助演(両人とも”ダラス・バイヤース・クラブ)と此方も順当なところだったか、、。
 
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これはその”ブルー・ジャスミン”で一番輝いているシーンでのケイト、、。何せ彼女は生粋のオージーで69年メルボルン生まれ、今朝の新聞テレビは大騒ぎだ、しかも受賞のスピーチでは”オーストラリア此処にありっ!!優秀な人材も沢山いるのよ、”とやったのだからこのシーンが繰り返し放映されてそりゃもうヒーロー、、じゃないヒロイン扱いだ。
 
それじゃなくても過去、ゴールデン・グローブアカデミー賞の”常連”さん、ノミネートされた作品だって半端じゃない、、オスカーも”アビエーター”(05年)と今回で二度目、、メリル・ストリープに肩を並べる大女優さんになった。
 
何と言っても注目を一気に集めたのが98年の”エリザベス”それに追い討ちをかけたのが07年での”エリザベス”、この二本で完全に女王女優としての地位を確立した。個人的には”ベンジャミン・バトンの数奇な運命”が一番好きな作品なのだがこの両エリザベスは凄い映画だった。
 
メルボルン生まれだが父親はアメリカ人、それもテキサスの軍人さんなので恐らく英語の訛りは凄かっただろう、、92年にメルボルンの劇専門学校を卒業しているのでオージーアメリカン訛りはかなり矯正されたとは思うがそれでもエリザベス女王が喋る真性キングス・イングリッシュのセリフには大分苦労したとか読んだ事がある。
 
今回オスカーを受賞した”ブルー・ジャスミン”、ウッディ・アレン監督の作品だがある評論家は”欲望という名の電車”でのマーロン・ブランドに匹敵する演技だと絶賛している。
 
ジャスミンは完全に破産状態、ニューヨークから妹を頼って彼女の住むサンフランシスコへやって来る。だが飛行機内ではファースト・クラスだ、、この辺りからその後の展開が読めて来る。案の定、別れた夫、アレック・ボールドウィンとの贅沢三昧の生活や浪費癖が抜けない、、其処でフラシュバック、、、数年まえにニューヨークへ遊びに来た妹とそのダンナ、、運転手付きで車を貸出し豪華なホテルに滞在させる手配をするジャスミン、、、何とその妹夫妻は20万ドルの宝くじが当たったのでその資金を元に建設業を始めようとしていたのだが、、、その時点でジャスミンはそんな事は知らない。
 
そんな展開でウッディ・アレンらしくない背景、そして物語が進んで行く、、最もどの映画が彼の典型的な作風なのかは判断しにくいのだが、、ナタリー・ポートマンが演じた”ブラック・スワン”もそうだが女優が圧倒的演技で”魅せる”映画はその後何回も見たいとは思わない。一つに暗い設定が多くその過酷な環境から光明を見出すか志し半ばで残念な結果に終わるケースが多い、、悲劇のヒロインが世の習わしか。それ以前に演技力で圧倒するには脚本がしっかりしていないと、、で今回もウッディ・アレン脚本賞にはノミネートされていたのだが受賞には至らなかったし作品、監督賞では選外、それだけ主演女優が光っていたという事になるのだろう。
 
ケイト・ブランシェットは今年、オーストラリアのヒロインとして出演作が目白押しだ、15年までに既に6本が制作中か撮影待ちの状態、御主人も業界人でオーストラリアを舞台に活躍中、男の子3人を育てながらこれからもハリウッドそしてロンドンと行ったり来たりの生活が続くだろう。時間の制約もあるのだろうがなかなかこのジャスミン役みたいに全編出ずっぱりの主演作は少ないのが残念かな、でも今回の受賞で新たな主演作のオファーが来る事は間違いないだろう、。
 
彼女がスピーチで述べたようにオーストラリアも多くの業界人を輩出しているしシドニーゴールドコーストには映画制作用のスタジオからセットも常設されている。遠くても近い将来はハリウッド、ロンドンに次ぐ映画制作拠点としてカナダとなんら遜色ない拠点になるのだろう。訛りはあっても同じ英語圏だし世界広しとは言われても気候に恵まれた場所はそんなに多くはない、、。