”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

やはり名作だな、、”カサブランカ”(42年)

アカデミー賞は終わったがFOXでは3月一杯、オスカーにゆかりのある名作を連日放映している。ふと見ると今夜の映画は”カサブランカ”、、もういい加減よせば良いのに、、やっているとなると又、見てしまう。DVDだってあるんだから見たけりゃそれを見りゃ良いものを、、。しかし今回は見ていてやはりこの映画はストーリーも然ることながら有名なフレーズのオンパレードだって事に改めて気がついた。これが制作されたのは42年、戦中真っ最中、日本軍がビルマへ侵攻、6月にはミッドウェイ海戦があった年である、、アメリカじゃ太平洋に艦隊を送り込みながらこんな映画を撮っていたとは信じられない思いだ。
 
映画化時の監督はマイケル・カルティズだが本来は舞台劇として書かれたもので日本での初公開は戦後46年になってからだったと記録されている。
 
イメージ 1
右側のハンフリー・ボガードが41歳、イングリッド・バーグマンが27歳の頃である。この映画でモロッコの近代都市、カサブランカは一躍脚光を浴びたのだが、、実際には全編アメリカ国内、それにワーナーのスタジオで撮影されていてロケ隊が現地へ出向いて撮影した記録はないとか、、。幾らアメリカの制作会社でも戦中流石にそれは出来なかっただろう。
 
以下は余りにも有名なフレーズ集なのだがWikiを見ただけでもこれだけ記載されている。
 
 
 
アメリカ映画協会 (AFI) 名セリフベスト100(2005年)の中に以下のセリフがランクインしている。
  • 第5位:"Here's looking at you, kid."「君の瞳に乾杯[6][7][8]
  • 第20位:"Louis, I think this is the beginning of a beautiful friendship."「ルイ、これが俺たちの美しい友情の始まりだな
  • 第28位:"Play it, Sam. Play 'As Time Goes By." 「あれを弾いて、サム。『時の過ぎ行くままに』を[9]
  • 第32位:"Round up the usual suspects.「いつもの要注意連中を一斉検挙だっ」"
  • 第43位 : "We'll always have Paris."「僕たちの、心の中には、パリがある
  • 第67位 : "Of all the gin joints in all the towns in all the world, she walks into mine."「世界に星の数ほど店はあるのに、彼女はおれの店にやってきた
 
この5位にランクインした”ホラ、君を見詰めているよ”、、このセリフは劇中4回、リックがエルザに囁くのだが、直訳ではなく”君の瞳に乾杯”とされたのは確か字幕翻訳家の高瀬鎮夫氏だったと記憶している。これは70年の歳月を経て、今に語り継がれる名訳ではないだろうか。32位の”Round Up,,"はこのセリフが元になり”ユージュアル・サスペクト”(95年)と言う名作のタイトルにまでなっているし43位の”We'll Always Have Paris”はそのまま都市名を入れ替えて色々な映画や脚本家に重宝がられるフレーズになっている。
 
時代を反映すると言うセリフでは67位の”Gin Joints"、、今時”ジンを提供する店”とは誰も言わないしナンでバーと言えば良いものを、と思ったものだが”ジン=白いスピッツ”と表現することでビールを主体に提供する”飲み屋”とは別格でスピリッツも提供出来る高級店だと暗にリックは自分の店を誇示している。
 
20位の”Beginning Of Our Beautiful Friendship”と言うセリフだって普通に聞けば極くあったり前のセリフだし一般的にはあっちこっちで日常聞くのだが、、どうもこの映画のこの場面のセリフが原型となっていて誰が言ってもこの映画が本家本元だと思うのではないだろうか、、それ程にセリフが輝いている。
 
全編102分の映画だがラブロマンス&クラシック名作と言う評価を超えて英語の教科書としても誠に貴重な映画だし普通に使えるフレーズの宝庫だ。何せ昨今の映画は聞くに耐えない言葉のオンパレード、、幾ら普段の生活に密着したセリフとは言っても映画から受ける影響は甚大じゃないのかな~、、アクションものに関しては”バアーン”ドキューン、、、”の効果音ばかりでこんな素敵な翻訳をする余地もない、別におっさんは生まれながらに英語を喋ってたって訳じゃないのだが、、一日本人として最近の英語の映画、R指定のものは特にそうだが余りにも酷い悪態、暴言、、Fワード、Sワード文化は非常に残念な事だと思っている。