”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

キャプテン・トム・ハンクス

映画のタイトルは”キャプテン・フィリップス”(13年)なのだが見終わって最初に思ったのがコレっ。まさに”キャプテン・トム・ハンクス”である。今年のアカデミー賞では作品賞を始め6部門にノミネートされた実話を基にした海洋実話ドラマである。
 
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左が映画のハンクス船長で右がホンモノのフィリップス船長。お話は09年、4月8日ソマリア沖を航海中の貨物コンテナー船が4人の海賊に襲撃され船ごと乗っ取られてしまったと言う実際に起こった事件である。このリチャード・フィリップス船長が後日書いた”船長日誌”が出版されるや映画化権交渉が始まりかなり早い段階でトム・ハンクスが主役に抜擢され映画化が実現した。
 
事実を元にしているだけあってまるでドキュメンタリー映画を見ている雰囲気、ドンパチはあってもかなり緊迫するシーンの連続だ。普通のアクション映画なら僅か4人ではしご伝いに乗り込んで来る海賊など機銃掃射かはしごのうえからでも”放水銃”戦法でかかれば簡単に落とせるのではないだろうか、、アメリカの一般家庭にだって機関銃はあるしピストルだって置いてあるってのにこのアメリカ船籍には武器が一切ない。甲板から見下ろすだけだって断然有利なのに何故にそんな簡単に海賊達に侵入を許してしまったのか、、それが事実と映画の違いって事になるのだろう。仮にこの場で海賊を排除してしまったら映画が終わってしまう。
 
この海賊4人組、ちゃんとした海賊組織があって縄張りを貼るオヤブンにはちゃんと納付金を収めている。この4人のリーダーは最近稼ぎがなくボスから早急に金を稼いで来いとこっぴどく叱られ今回の襲撃も急場凌ぎ状態で何ら計画もあったもんじゃない、、しかし皮肉な事に貧困に喘ぎやむ無く海賊に走る彼等の母国へ救援物資を届けようとしているのがこの船舶、マースク・アラバマ号である。その好意の支援物資を運ぶ船を襲っているとは彼等には知る由もないのだが、、最初に乗り込んだ場面でフィリップス船長に船の金庫に現金が3.5万ドルあるのでそれを持って行けと諭されるのだがそんな船長の温情には耳を傾けず悲劇の幕開けとなってしまう。
 
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現実の世界はこの通りだろうな、、と思いつつ映画は緊迫モードで進行して行く。船長はその船、航海中の責任者だがヒーロー気取りで瞬時に4人の相手を倒すなんて事は出来ない。アクション映画を見続けているとナンですぐにバサッと片付けてしまわないのかな、、と願ってしまうが銃を持っているのは海賊たち、、其処で船長は武器では太刀打ち出来ないので船内を熟知した船員たちならではの対応を船員に求める。エンジンを停め、発電機も停止、20人からいる船員たちを分散させてエンジンルームに隠したり、、更には裸足の海賊が暗闇で床が見通せないことを予期してガラスの破片を撒いたりと必死の抵抗だ、、。
 
映画はその後、おもがけない展開になるがこんな時、アメリカのシールズは頼りになる。4人の海賊に対峙する為に空母、巡洋船、ヘリ4機が投入されこれじゃどうやっても太刀打ち出来ないだろうと言う展開。頼みの綱は船長を人質に何とか上手く交渉し身代金を取りソマリアへ引き上げるしかないのだが、、何時の間にかその要求額が10億円になっているし、、そうなったらもう勝ち目はない。しかし最後まで緊迫感は途切れず、これはリアリティムービーかと思わせる現実感満載の映画でした。
 
トム・ハンクスは80年代初めはテレビのドラマ出演が多かったのだが92年”プリティ・リーグ”で女性野球リーグの監督を演じた頃が転機、翌年の”めぐり逢えたら”でメグ・ライアンと共演、その後一挙に開花した。立て続けに秀作に主演、”フィラデルフィア”、”フォレスト・ガンプ”、”アポロ13”、、更には”プラベート・ライアン”から”グリーン・マイル”、”キャスト・アウェイ”、”ダヴィンチ・コード”と続き俳優業の合間にはプロデューサーも兼務するハリウッドのみならずアメリカ映画界を代表する映画人になってしまった。
 
昨年後半には”ウォルト・ディズニーの約束”にも出演しているしこの”キャプテン・フィリップス”も彼の代表作として忘れられない映画の一本になるだろう。アメリカ国内でも”好感度”ナンバーワンとして認められているので今後の活躍が楽しみである。ロバート・ラングデン教授役としてシリーズ化された感もあるが”ロスト・シンボル”がダン・ブラウン原作の最新映画化作になる。多分劇場公開は来年の後半かな、、。
 
 
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