”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”コップランド”(97年)

確かこの映画はロードショーがもう終わる頃だったかに入ったのだが最初から最後まで観客は一人っきりの貸切状態だったのを覚えている。
 
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原題は”Cop Land”、邦題もそのまま”コップランド”、”Cop”とは”警官”のスラングだが日本語を同じスラングで言うなら”デカ”、でもそのままカタカナ化でコップと言うとやはりコップ(Cup)を連想するし、、もうちょっと捻って欲しかった。佐々木譲横山秀夫なら”警官(デカ)の聖域”とでもしたかな??
 
お話はタイトルにオーバーラップするようにナレーションで、、”70年代、ニューヨーク市で働く警官たちは自分たちが安全に暮らせる”聖域”を求め対岸のニュージャージー州、ギャリソンと言う街に集まって来た。その小さな街の保安官を勤めるフレディ(S.スタローン)は子供の頃から警官になる事が夢だったが少年期のある事故で片側の耳に障害があり昇進試験も受けられない”で始まる。
 
”ロッキー”、”ランボー”そして”エクスペンダブル”シリーズが先行しているしこの30年以上をアクションスターとして映画界に君臨、ボクサーを始め殺し屋、兵士、刑事と何でもこなして来た。そう言えば西部劇はないかな、、。そんな彼がアクションを捨てて田舎町の保安官を演じた”地味”な役柄の作品だ。
 
共演はロバート・デ・ニーロ以下、レイ・リオッタやハーベイ・カイテルで女性との絡みは一切ない彼の”演技”で見せた数少ない主演作である。
 
このギャリソンと言うニューヨークの対岸の街、ボス的存在はレイ(H.カイテル)
で甥を始め警察に勤める親族も多くこの地に住み着いている。そのボス振りを発揮して街を牛耳っているのだがある事件がきっかけでその”聖域”が脅かされる。一方のフレディは職務には忠実で普段からこのレイには融通の利かないヤツだと疎まれている。そんな背景が語られつつ本題へ、、。
 
そりゃ”ロッキー”は何と言っても彼の出世作だし彼が書いた脚本も素晴らしいものがあったのだがこの映画では”演じる”事に専念し恐らく数多い彼の主演作でも1-2位の評価を争える映画ではないだろうか。同じ保安官でも”真昼の決闘”でのゲイリー・クーパーとは大分違うが苦悩し自身の将来をも天秤に掛けざるおえない保安官を上手く演じている。
 
本筋の方はレイが自分達の街を守る為にと称して暗黒街のボスから格安で融資を受け多くの警官たちが立派な住宅を手に入れていたり、悪人どもに温情処置を施したり、袖の下も受け取りっ放しとまるで”コップランド”存続の為には少々の悪行は当たり前みたいな展開、それら不祥事に目をつけ調査を進めようとしていたモー(R.デニーロ)はフレディに協力を要請するのだが、、なかなか仲間を売るような事は出来ないと悩む保安官の姿が印象的だ。
 
目立つ映画じゃないがピリリと山椒が良く効く映画か、、制作費だって過去のスタローン映画に比較すると格安じゃないのかな?
 
終盤ニュージャージーの小高い山からニューヨークを望むショットに貿易センターのツウィンタワーが見える、映画の撮影は97年には済んでいたと思うのだが崩壊前のはっきりした姿が捉えられた数少ない映画ではないだろうか。このシーンは削除しても良いのにな~、、。
 
 
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