”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”黄昏のチャイナタウン”(90年)

イメージ 1長年見たい見たいと思っていながら見れなかった映画、、それはロマン・ポランスキー監督の”チャイナタウン”(74年)の続編で原題は”The Two Jakes"と言う。
 
国内の配給元でも”チャイナタウン”を意識してこんなタイトル、”黄昏”を付けたんだろうがこれじゃ映画がたそがれてしまう。案の定折角の続編なのに評価は殆どゼロに近く見たミステリー・ファンもいないのじゃないか?
 
確かに前作からは17年もの年月が経過しているし舞台は同じロスアンジェルスでも背景が”チャイナタウン”の10年後の出来事、それに監督がジャック・ニコルソンだ。此処は主演に徹して誰か別の監督を充てて欲しかったな、。配役はもう一人のジェイク役にハーヴィー・カイテル、それに声の出演でフェイ・ダナウェイも、。
 
前作ではしがない探偵事務所を一人で開いていたジェイク・ゲティスだがこの映画では秘書もいるし優秀な部下もいる設定だ。時は1948年、戦争が終わり広大なカリフォルニアでは石油掘りの真っ最中、そのジェイクの事務所を訪ねて来るのが同じジェイクと名乗る建設会社を経営する社長さん。依頼事項は妻の浮気を探って欲しいというもの、、。
 
その依頼を受けて奥さんのキティが(メグ・ティリー)密会中のモーテル、隣の部屋に侵入して事の次第を録音するのだが、、突然現れた夫のジェイク(ハーヴィー・カイテル)が拳銃を取り出し浮気相手を射殺してしまう。此処までは完全に前作を継承するようなハードボイルドタッチ、、なかなかニコルソン監督もやるじゃないか、、と画面に釘付けだ。しかもその録音されたテープには何やら昔を思い出させる事が吹き込まれている、、。
 
前作”チャイナタウン”では最後に刑事に撃たれてしまうママの役がエヴェリン・モーレイ(フェイ・ダナウェイ)、密かにジェイクとは恋仲だったのだが何とその時、ママの隣にいた娘、キャサリン・モーレイがジェイクの奥さん、キティだそうな、、こんな形で前作と繋がって来たか、、。設定と良い配役と良い、ナンでこれまで見るチャンスがなかったのか、。
 
探偵ジェイクにはいきなり出てきて妻の浮気相手を殺したジェイクの行動が不可解だ。拳銃だってモーテルの部屋の何処にもなかった事は検証済み、そこで独自の調査を始めるのだが何と殺した浮気相手はジェイクの共同経営者だ。そんな大事な事も知らされていなかったしどうも全体像が掴めない、、更に調査を進めて行くうちに謎が謎を呼び、殺されたボディーンの妻からは訴えられると脅かされる始末。
 
全体としては前半は絶好調、なのにそれが持続しない、、悪くはないのだがジェイク社長の魂胆が割る頃からちょっと下降気味、折角ショートとレフトの中間くらいにポテンヒットを打ったのに走者が欲張って二塁で憤死、、そんな印象が拭えない。名作”チャイナタウン”をそれなりに上手く繋げた功績は大だった。
 
恐らく映画館で見ていたらそれなりに好評だったんだろうがいかんせん続編としては時間があき過ぎた。
 
 
 
 
 
 
 
 
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