”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”ワールド・オブ・ライズ”(08年)

原題は”Body Of Lies"、、直訳すれば”嘘だらけ”、、なのだが何処をどうしたのか邦題は”米の世界”、、じゃなかったライズ、、と此方はそのまま嘘の複数だ。配給元の担当者、なんじゃこりゃ??と思わず気色ばむぜ。何でもカタカナにすりゃ良いってもんじゃなかろう、、折角のリドリー・スコット監督&デカプリオ+クロウのアクション巨編だがこのタイトルじゃ意味が判らんし興味も沸かないだろう。
 
確かにウソで固めた情報戦を世界中で進めるんだから”ワールド”も頷けない訳ではないがウソをそのままライズとはしないで欲しい、、いっそ”欺瞞の情報戦線”とか”偽のスパイ戦線”とか立派な漢字を使って内容をもっと的確に表現しても良いじゃないか、、そんなにカタカナに媚びる必要があるのか??
 
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舞台は中東、現場工作員のフェリス(デカプリオ)は毎日過酷な環境でアルカーイダのテロ組織を追っている。一方の上司、ホフマン(ラッセル・クロウ)はワシントンDCの本部から携帯電話でああだこうだと指示を出す側。
 
子供の世話や買い物中でも片時も携帯電話は離さないのだが普通の生活を送りながら現場担当員をこき使っている。
 
 
 
この辺りの対比が先ず面白い設定で興味を引かれる。現場担当者はやれアフガニスタンだ、イェーメンだ、アブダビだとかアムステルダムだと敵を追って休む暇もない。ヨルダンの情報機関の長、ハニ(マーク・ストロング)にテロ組織の下層構成員を寝返らせる件で話を持って行くところからいよいよ本題に入る。
 
最初共同作戦はイヤだ、、と通告されたもののアメリカ側からの重要情報の提供を受け”我々に協力を申し出たんだから、オマエ、嘘つかない”と約束させる。そしてこの言葉が最後まで重きを持ってこの映画のタイトルにあるように偽善と嘘の情報戦線が進んで行く。アメリカ側は最新の無人機により空中からでも地上の人一人の顔も見分けられるのだがテロ組織は昔ながらの人が出向いて情報を伝える方式、それが最新情報戦線でも役に立ち場合によってはアメリカに勝ってしまうところも痛快だ。
 
ヨルダンの情報部もそんな昔ながらの方法で命を救ってやった下っ端を手懐けて最終的には自分らの情報源として活用していく、ワシントンのホフマンはそんな先の事より今が大切、嘘の情報を流して敵を欺く、、もうそんな展開と背景が目まぐるしく変わるので見ているほうも気を締めて行かないともうどいつが見方で敵なのか判らなくなる。しかも英語は良いとしてアラビア語やらナニやらが入って字幕を読まされるので混乱、見ているほうが偽の情報戦に巻き込まれている気分だ。
 
でもデカプリオがこりゃ”グレート・ギャッツビー”なんかより断然良い、スーパーマン的活躍って事じゃなくてアクション場面はあるものの妙に真剣なところが好感が持てる。敵を追って怪我をし町の診療所で手当てを受けるのだが其処の看護士さん、アイーシャとすっかり打ち解けてしまう。当然宗教的な垣根や諸々の障害があるのだがスパイ活動に忙しいなか時間を見つけちゃその診療所へ通ってくる、、彼女の存在が敵の知るところとなりテロ組織の親玉が彼女を拉致、フェリスをおびき出すあたりがクライマックス君、果たして先のハニ情報将校は助けてくれるのか、、。
 
総体的にちょっと長いかなと思ったらやはり2時間ちょっと、、でもデカプリオとクロウの関係をアメリカ側の縦糸としてヨルダンと現地の情報戦が横糸、なかなか見応えのある情報最前線でした。
 
 
 
 
 
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