原題は”The Impossible"、04年12月にスマトラ沖を襲った地震、プーケットにも大津波が押し寄せた実話を元に制作されている。この災害からの生還者スペイン人一家のお話を日本に駐在してる家族に置き換え奥さんのマリアにナオミ・ワッツ、ご主人のヘンリーがユワン・マクレガーそして3人の男の子、ルーカス、トーマス、サイモンが重要な役どころで出演している。
映画制作は全てがスペイン資本それの配給権をアメリカに売りワーナー・ブラザースの配給で全米公開、そして日本へも配給されたと言う珍しいケースだ。配役だけはワールドワイドな公開を目指したせいか最初から知名度の高いこの二人が選ばれたとか、、。
ナオミ・ワッツは最後まで汚れ役、オクカーの主演女優賞にもノミネートされたのだがどうもこの映画は引けてしまい今まで素通りしていた。実は実際に地震が起きた同じ年の5月に我ら家族もプーケットにいたのである。半年ズレていたかと思うとどうも居心地が悪くて見る気にならなかったと言うのが本音だ。思えばその後遺症か以降何処へも旅行には行っていない、、そりゃこじつけかな?
映画はクリスマスの前日、日本に居住している一家5人は休暇で空路タイのリゾート地へ向かう。ホテルの部屋は素晴らしくそこでクリスマスのプレゼントをやり取りしビーチで遊びプールで泳ぐ、、、それが一転する訳だがハリウッド資本の”デザスター・ムービー”とは様相がチト違う。そりゃ実際に起こったことなので何処からともなく現れたヒーローが単身、大活躍してみんなを救う、、って訳にはいかない。あくまでリアルにリアルにお話は進む。
ママのマリアと長男のルーカスはプール際にいたのが一緒に津波に流される、、パパのヘンリーと次男、三男が一緒でやはりプールで遊んでいる時に津波が押し寄せる。次の30分はママとルーカスのサバイバルに焦点が合わされパパ達の消息は一切不明だ、、ママ達は助からなかっただろうと思いつつ彼等を探す伝もなく大怪我を負った身体をルーカスが助けるように流されずに立っている大木によじ登り余震に備える、。
ちょっと目を覆うシーンもあり緊迫感は増すしリアルさが身近に感じられる、、だからこれまで敬遠してたんだよ、。でももう遅いぜ、、此処まで見ちまったらこの”デザスター”は何処へ流れ着くのか見ない訳にはいかないだろう。しかし日本での震災も考えるとどうにも落ち着かない、。
映画は後半、救助された子供たちの隣へおばさんが一人でやって来て”貴男の傍に座っても良い?”と聞く。
この災害ついて子供達と暫し語り合うのだがこの女性があのジェラルヂィン・チャップリンだったって事はあとになって知った。70歳になったそうだが”ドクトル・ジバゴ”でジュリー・クリスティとは対照的に可憐で従順なジバゴの妻役、トニヤを演じていたのが一番印象深い、。
たかが映画とは言ってもされど映画、、事実に基づいた映画は観る側に辛い事柄を思い出させとても見る気にはならないものだ、この映画は秀作で演技陣も素晴らしいだけに余計に辛くなる、、同じ場所に行っていたと言うだけで、、それも半年もズレていたのに、、ホテルでの状況やリゾート・ライフを思い出すと全てが同じ境遇だった、、。guch家の場合は、パパは毎日ネットカフェへ、そう言えばまだこの頃はインターネットもそんなに手軽じゃなかった、、ホテルにはロビーなどに設置されていたが有料、、で街のネットカフェへ行くと格安で人も少なかった、、一方のママと娘は気ままなお買い物だったのでビーチ沿いやプール際から流されると言う事はなかっただろう、、。そう思い自身を慰めている、、しかしこの時、延々と続いた仕事でのやり取りが後年”管理人”を襲名せざるを得なくなった根源だとするとやはりやり切れない、、おっさんの場合は経済面、精神面どちらから見てもこのタイのリゾートは鬼門である。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
にほん映画村」に参加しています:もし気が向いたらクリックお願いします♪。