”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

"博士と彼女のセオリー”(14年)

”バードマン”に続いて今日は”博士と彼女のセオリー”を、、、ダメだよこんな邦題は。これじゃ博士と彼女がくっついた方程式って感じないか?原題は”The Theory Of Everyting"と言っておっさんでも知っているかのスティーブン・ホーキングの伝記である。此処はそのまま”万物の理論”、或いはホーキング博士の名前を使って欲しかった。

”バードマン”そして”セルマ”は双方ともオスカーに作品賞としてノミネートされているアメリカ映画、そしてこの”博士と彼女のセオリー”と”イミテーション・ゲーム”はやはり同様にノミネートされているがイギリス連合で制作された作品、、この4作品を見比べるとその米国色、英国色と実にはっきり鮮明に描かれている事に気付かされるし今年も英米がオスカーの作品賞を競うと言う図式がはっきりと見えてくる、、まあ下馬評では作品賞の行方は既に決まっているので二番手が幾ら頑張っても無理だろう、、その肝心の一番手を見ていないってのが情けない。

そして映画は、、伝記映画とは言ってもご本人がまだお元気で活躍されている場合は作る側もそりゃ神経を使うだろう、、当然ご家族からの許可とか脚本の見直しとか舞台設定まで、、”適当に”とは行かない。版権や映画化権の事もあるし、、しかもお子さんが3人もいて最初に苦難と共にした奥様とは離婚、その後に再婚もされているとなるとそうは簡単に制作許可が降りたとは思えない。その困難を跳ねのけて映画化出来たと言うだけでこりゃもう称賛もの、、☆の一個を増やしても良いかな、、。

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主演男優賞に限っては”バードマン”のマイケル・キートン、そしてこの映画のエディ・レッドメインそして”イミテーション・ゲーム”のベネディクト・クンバーバッチ、、それに”アメリカン・スナイパー”のブラッドリー・クーパー(27日現在未見)、、なのだがどうもイギリス勢に落ち着きそうな感じがする。


映画の舞台はイギリスのケンブリッジ、、その大学の校舎で1963年に始まる。物理学を学ぶスティーブンが同じ大学の文学部にいるジェーンとパーティで知り合い恋に落ちるまでがさらりと描かれている、、。そして彼の発症、一般的にはメージャー・リーガーだった伝説のルー・ゲーリックが患ったのと同じ、映画の中でも実は”ルー・ゲーリック病”と表現されるが実際には筋萎縮性側素硬化症で宣告されると余命は二年程度とか、、このホーキング博士も発症時に余命二年と宣告される。

二人はこの時点では結婚はおろか婚約もしていないのだがジェーンの意思は固く、愛するスティーブンに連れ添って生きていく決心をする。それからが苦悩の連続、幸い子供にも恵まれ幸せな家庭生活を送り、博士もその不自由な身体をものともせず”宇宙創成直後に小さなブラックホールが多数発生する”とする理論を提唱、1974年には「ブラックホール素粒子を放出することによってその勢力を弱め、やがて爆発により消滅する」とする理論(ホーキング放射)を発表、量子宇宙論という分野を形作ることになり現代宇宙論に多大な影響を与えていくのだが、、実生活では自分の自由時間はまったくないも同然、。

そんな背景で二人の生活、彼らの両親やら子供たち、が丁寧に描かれていく。実際にはこの奥さんとは後年離婚され、数年後に双方とも再婚されている事実知っているのでどんな展開で何処までを描くのか、、と後半は興味が尽きない。

先の”イミテーション・ゲーム”の主人公も実に数学に強い秀才だったし此方はあのホーキンズ博士の実話、、やはり映画とは言っても空想のお話より実話の方が断然説得力が強い、。もうオスカーに候補としてノミネートされた時点で”秀作”の折り紙付きとだと思うしその評価に恥じない素晴らしい映画でした、、。


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