”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”ダンス・ウィズ・ウルブス”(90年)

イメージ 191年にオスカーの主要7部門を獲得したケヴィン・コスナー35歳の時の映画だ。主演、監督も演じ作品賞、監督賞も受賞した西部劇とは言っても映画宣伝風に言えば”ある北軍中尉の壮大な生き様を描いた叙事詩”である。

公開当時何故か躊躇して結局見にも行かなかった、、その理由を今回FOXさんのお世話で25年越しに見ることになり何故行かなかったのかを思い出しちまった。

時代は1863年、舞台は南部のテネシー州南北戦争激化の頃である。戦闘で負傷したダンバー中尉(ケヴィン・コスナー)は撃たれる覚悟で単身敵地へ突っ込んでいく、、それが南軍には隙を与え、自軍には勇気百倍の行為と映り一挙に北軍が攻勢に、、指揮官は手厚く治療を施すように衛生班に言いつけ彼は英雄に、、怪我が癒えたダンバーはこの功績で次の任地を自分で選べる特権を得て最後に残されている荒涼とした土地、サウスダコタ州無人監視所へ赴任する事にする。

映画はそんな出だしでこの無人監視所での活動からがいよいよ本編だ。当初この邦題も又、そのままカタカナ変換かぁ~、、と思っていたのだがこれはその後ダンバー中尉がネイティブ・インディアンのスー族から貰った彼の”呼び名”だと判る、、するとやはりこりゃ”狼と踊る男”と邦題にする訳にはいかないぜ、そのままカタカナで表示するっきゃないだろうな。

この監視所では自炊時給の生活だがある日、スー族の悪ガキが彼の愛馬、シスコを盗みに来る。まんまと盗んで逃げるのだが頭の良いシスコは乗り手のガキを振り落としてそのままダンバーの元へ戻ってくる。コレがきっかけでご近所で集落生活をおくるスー族と近所付き合いが始まる。その肝心のタイトルにもなっている”オオカミ”は彼が勝手にツーソックスと名付けるのだが野生で時々彼の元へ現れる。何故かすっかりダンバーに懐いてしまい手から食べ物を取るまでになってしまう。焚き火をしている最中にこのツーソックスと戯れている場面をスー族に目撃され、以降彼等から”ダンズ・ウィズ・ウルブス”と呼ばれると言う訳だった、。

優に3時間超えの超大作、その後スー族とは対立している別の種族が襲ってきたり、案の定北軍が迫って来たりでダンバーも”オオカミ”と戯れている暇がなくなる。スー族の元には夫を最近亡くした白人女性がいる。彼女は”拳を握って立つ女”(メリー・マクドーネル)と呼ばれているのだがどうやらこのスー族と対立していた部族が白人の開拓者を襲い幼い頃に拉致して来たらしい、、それをスー族が救助しそれからずっとスー族のもとで生活しているようだ。最初のきっかけはダンパーとの通訳として英語を話してくれないかと間に入っていたのだが二人は序々に惹かれていく。

この辺りでやっと映画は半分くらいか、、一本分の90分程度が経過した。後半は彼等の重要な食物源、バッファローの大群を背景に壮大な高原を突っ走る狩猟場面、、更にはダンバーが自軍の駐屯所へ出向くのだがすっかり姿かたちが”インディアン仕様”になっている為に逆に脱走兵かと疑われ足かせをハメられ遠くの収容所へ送られる事になってしまう。その彼をスー族の勇士が救助に来るのだが、、そうだ、コレだ、この場面があるからその昔、映画館へは出向かなったんだ。

可哀想に優秀でお利口さん、ダンバーの心の支えとなっていた愛馬のシスコが無残にも北軍兵士に撃たれてしまう、、、更にはワゴンで移送されて行くダンバーを遠くからじっと見詰めるツーソックス、、そのオオカミ君も彼等兵士の格好な射撃の的に、、この場面には思わずポロリ、。幾ら映画のなかでの出来事とは言ってもこれは理不尽な、そう言えばさっきのバッファローのシーンでも大殺戮が、、これがあったから躊躇したんだ、、このシーンを見ながら思い出した。

そして一挙に終盤へ、折角仲間に助けられた”ダンス・ウィズ・ウルブス”、、でもそのままスー族と行動を共にしていれば何れ北軍の尖鋭部隊がやって来てインディアン狩りになるだろう。彼らの移送部隊を壊滅させたのだからきっとこれをチャンスと見てダンバーを捕捉するだけではなくスー族捕獲にでもなったら大変な事態になる。苦悩するダンバーは其処で酋長に最後の提案を、冬が迫る時期だがスー族には再度何処か別の土地へ移動する事を勧めし、ダンバーと今では妻として一緒にいる”拳を握って立つ女”、二人は彼等とは別行動を取りもっと山岳地帯奥深くへ分け入り身を隠す事にする、。

映画はあっけなくこの別れの場面で唐突と終わってしまうのだが、、あたかも実話だったようにエンドロールにはその15年後、、インディアンは指定居住地域に移送され最後のフロンティアーと呼ばれたこの舞台になっている土地は新たに開拓されて行く、、と出る。

原作を書いたマイケル・ブレイクはこの後日談として続編を書き上げている。タイトルは”ホーリー・ロード”と言うのだが;、、

”ダンス・ウィズ・ウルブス”は息子2人と娘1人の3人の子供にも授かり、サウスダコタ州スー族の住処に近い平原で暮らす10人のコマンチ族の村で平和に暮らしていた。しかしホームステッド法により、白人の入植がコマンチ族の領域を侵害することになり、白人が鉄道の線路を轢くため、彼らコマンチ族の住処に入り、白人ハンターコマンチ族の生の源であるバッファローを無差別に発砲し殺している、、白人のレンジャー隊が村を攻撃し、「拳を握って立つ女」と幼い1人娘を誘拐し捕虜にした。スー族の領域にも鉄道の線路が轢かれようとしていたことから「蹴る鳥」は「風になびく髪」とダンバーこと「狼と踊る男」に侵入者である白人と戦う事を決定しなければならないと言い、同時に、誘拐し捕虜とされた妻の「拳を握って立つ女」と娘の救助に向かうと言う様な内容である。byWiki

これは何でも2001年に書かれ当時は映画化の話もあったそうな、、でも14年が経過して今だにそんな話は出て来ないので断念したんだろう、、、やはり”名作”の後にどじょうはダメさ。


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