”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”ドラフト・デイ”(14年)

イメージ 1昨年上映された映画、残念ながらオーストラリアでは劇場公開がなかった、、そりゃアメリカン・フットボールを扱ったお話なので無理もないのだが、。ブラッド・ピットがメージャー・リーグ野球の内幕に迫った”マネー・ボール”もやるにはやったが2週間程度で公開が終了、どうも野球とかフットボール系の映画はダメだ。かと言って英国文化として絶大な人気を誇るクリケットを主題にした映画は過去に見たこともないな~、、。

この”ドラフト”と言うのは野球の世界にもあるのだが毎年将来有望な選手(高校、大学を含め)を全32あるフットボールチームが順繰りに抽選で指名して行くと言う選手にとってもチームにとっても誠に大切な一日である。

ソニーケヴィン・コスナー)がクリーブランド・ブラウンズ(実在のチーム)のジェネラル・マネージャーに扮してシーズン開始前の一日の苦悩を描いたスポーツ内情ものである。

全米のチームは何処もそうだが首脳部としてチームを所有する個人なり大株主団なりのオーナーと呼ばれる人たちがいる、、その連中に任命されているのがこのジェネラル・マネージャー、、そして彼の配下には監督なりコーチ陣なりが控えているのだがジェネラル・マネージャーの役目は如何に優秀な人材、それも来年、再来年、そして3年後を見越してチームを編成していく事だ。監督はあの選手が欲しい、コイツは不要だとかは言えるがGMが編成したチームで戦う事が原則で使命だ。GMの立場では各自の報酬を検証する事も必要だしチーム全体で支払う給与、それのバランスも調整し即戦力として役に立つ選手を他のチームとトレードする事も要求される。実にはっきりと役割分担がなされていて彼等役職に与えられた権力は任命したオーナーと言えども文句は言えない。

こうなるともう選手は”将棋の駒”状態なのだが先の”マネー・ボール”でもこの辺りが上手く描かれていて選手には気の毒な面もあるが激務を乗り越えて行くGMの活躍には拍手を送りたくなる。”マネー・ボール”は実在のチーム、そして選手たちがそのまま出ていてあたかもスポーツニュースを見ている気分だったが此方はチーム名その他は実在するものの扱われる選手連中はすべて架空の人物、但し設定は限りなくホンモノだと思われる。

アメリカン・フットボールのシーズンは9月の第一週に始まりそれから17週間、12月後半にはシーズンが終わる。その期間に各チームは夫々16試合を戦うだけなので野球のシーズン(30チームが4月~10月の間で合計162試合)に比較して試合数や期間は圧倒的に短いのだがアメリカに於いての人気は絶大で4ヶ月と言う短い期間だが野球を超えている。

そんな背景を理解していないとこの映画を見ても何がなんだがちんぷんかんぷん、、ナンであの選手を切り捨てて将来どうなるか判らない選手をトレードするのか、、それに他のチームのGMとのやり取りはこりゃもう狐と狸の化かし合い的な雰囲気だ。しかも熟考する余裕などなく矢継ぎ早に先方の痛いところを突き、自分のチームとって少しでも有利な条件を引き出す、そんな内幕である。

クリーブランド・ブラウンズのオーナー役としてフランク・ランジェラ、そしてGM補佐役でジェニファー・ガーナーが配役されている。

ケビン・コスナーはこれまで野球選手、元選手、プロ・ゴルファーとスポーツ選手も多く演じているが今回のGM役も適役、ドラフト・デイ本番ではライバル・チームを相手に的確な指示を出して行く。瞬時に判断して相手チームが思わず”やった~”と拍手するそばからそれはトランプのババ抜きをやっているかの如く実は自身のチームがより良い選択をしている、、そんなクライマックスでした。

実は我が家も”ドラフト・デイ”、、見終わってから飲んだ”ドラフト・ビール”が実に美味かった、、、。


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